ドラフト直後の“採点”は当たるのか? 日ハム、巨人、阪神、オリら高評価の2014年を検証

日本ハム・有原航平【写真:石川加奈子】

評価の高かった日本ハムはそのまま“当たり年”に

 今季も数多くのルーキーたちがプロの世界に飛び込んできた。ただ、ルーキーたちは誰しもが入団して即、活躍するわけではない。身体作りに励み、3年、5年が経ってからようやく花開く選手たちも多くいる。ドラフトの真の成果は、ある程度の年数が経ってから分かるものだ。

 では、かつてのドラフト会議で指名された選手たちは、一体どうなったのか? 当時のドラフト直後の12球団の指名評価を振り返り、現在、その年々の指名選手たちがどうなったのか、検証してみよう。

 6年前の2014年のドラフトで目玉となったのは大学生で有原航平、山崎福也、高校生で安楽智大、高橋光成、岡本和真といった面々。ただ、1巡目指名で競合したのは有原の4球団、安楽の2球団だけ。外れ1位でも山崎康晃に2球団が入札しただけで競合の少ない年となった。

 各球団がそれぞれの色を出した印象の強かった2014年。ドラフト直後の“採点”で評価が高かったのは日本ハム、巨人、オリックス、阪神、楽天あたりであった。

 日本ハムはまさに“当たり年”だった。有原はエース、2位の清水優心は正捕手へと成長した。3位の浅間大基や4位の石川直也も1軍の戦力となっている。巨人は単独指名した岡本が4番に成長。2位の戸根千明、3位の高木勇人も活躍期間は短かったものの、入団1年目から1軍で戦力となった。

 一方でオリックス、阪神、楽天は今のところ、高い評判ほどの成果は出ていない。オリックスの山崎はシーズン最多で3勝止まり。2位の宗佑磨や3位の佐野皓大らもまだ開花しきれていない。阪神は有原、山崎を外して横山雄哉を指名。ただ、左肩の故障もあり、現在は育成選手に。2位の石崎剛は2017年の後半に中継ぎとして活躍し「侍ジャパン」にも選ばれたが、その後は奮わず、ロッテへとトレードになった。楽天も引き当てた安楽が故障が相次ぎ、2016年の3勝が最多。2位以下も主力になった選手は出ていない。

低評価の広島はまずまず、中日とヤクルトは厳しい結果に

 逆に、評価が低かったのは広島、中日、ヤクルトか。広島は1位で入団した野間が主力に成長。2位の薮田が2017年に15勝をマークしており、決して悪くない。ただ、ヤクルトと中日は残念ながら低評価通りの成果となっている。

 ヤクルトは竹下真吾を外れ1位で指名したが、3年で戦力外に。成果は2位の風張蓮が2018年に53試合に登板したくらいか。中日は単独指名で野村亮介を指名したが、こちらも3年で戦力外となった。5位で指名された大卒の加藤匠馬が正捕手候補となっているが、総じて厳しいと言わざる得ないか。

 まずまずの評価だった残る球団はどうか。DeNAは外れ1位で山崎康晃が入団。2位の石田健太、3位の倉本寿彦と1軍の主力になっており、上々の指名になっている。西武は単独指名の高橋光が昨季2桁勝利をマーク。3位の外崎は不動の中心選手となっている。

 ロッテは1位指名した中村奨吾がチームの中心選手に。2位では京大卒の田中英祐を指名し、話題となったが、2017年に戦力外となっている。ソフトバンクは1位で松本裕樹を単独指名。4位まで高卒選手を並べたが、ここまでは大きな成果は出ていない。ただ、ようやく今季、松本と2位の栗原陵矢が飛躍を遂げそうな気配を漂わせている。

 2014年のドラフトで入団した選手たちは、今季で6年目を迎える。高卒世代でも24歳となるだけに、ここまで結果を残せていない選手もそろそろ1軍で花開きたいところだ。(Full-Count編集部)

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