「為替」関連倒産(3月度速報値)

 新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の減速が懸念されている。 2020年3月には世界同時株安を招き、各国政府が金融緩和策を打ち出した結果、ドル円相場は2月高値の112円台から101円台まで急激に円高が進んだ。しかし、世界的な投資ポジション縮小に伴う手元資金確保のためドル買いが集中し、111円台まで反騰、金融市場全般が混乱状況に陥った。
 こうしたなか、3月の「円安」関連倒産速報値は1件(前年同月ゼロ)で、3カ月連続で発生した。(株)ティー・ビーカンパニー(TSR企業コード:576045330、法人番号: 2120001084895、大阪市)は、中国製を主体に肌着やワイシャツ、寝具等を扱い、問屋筋に販路を構築していた。2012年以降は円安が進行し、単価安により業績は低迷、借入依存度が高まった。さらに2018年6月期には納期遅れなどにより損失が発生したほか、通関手数料に係る訴訟も抱えていた。業況が悪化するなか3月13日には大阪地裁に破産を申請し同月25日、同開始決定を受けた。
 また、「円高」関連倒産は14カ月連続で発生しなかった(前年同月ゼロ)。

円安関連倒産月次推移
円高関連倒産月次推移

© 株式会社東京商工リサーチ