新型コロナ新たに3人感染 諫早で医療職女性 壱岐、佐世保でも

長崎県感染者の行動履歴

 長崎県は1日、諫早市の医療職60代女性と壱岐市職員の30代女性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。佐世保市も同日、同市の無職70代男性の感染を明らかにした。これで県内の感染者は計5人となった。
 県によると、諫早市の女性に海外渡航歴はなく、3月21日から1泊2日で友人3人と車で県外に旅行した。26日に発熱や悪寒、30日にも下痢症状があり県央保健所に相談したが、症状が軽減したため経過観察。31日に下痢、せき、全身倦怠(けんたい)感があり、同市内の帰国者・接触者外来を受診し検体を採取。女性は自宅に戻ったが、1日に県の機関でPCR検査を実施し、陽性と判明した。現在は発熱、下痢、息苦しさの症状があり、県央保健所管内の指定医療機関に入院している。
 女性の勤務先は医療機関だが、患者と接触することはないという。この間、出勤していたかどうかは「確認中」。県は今後、詳しい行動歴や濃厚接触者について調査。中田勝己福祉保健部長は「(勤務先の医療機関で)クラスター(感染者の集団)が発生しないよう対応したい」としている。
 県と壱岐市によると、壱岐市の女性にも海外渡航歴はなく、3月16日に福岡県を訪れていたという。31日に検体を採取し、1日に県の機関のPCR検査で陽性と判明。現在発熱があり、同市内の指定医療機関に入院中。県は行動歴や濃厚接触者について調査中としている。市は女性が勤務していた市芦辺庁舎の1階フロアを5日まで閉鎖する。
 また佐世保市によると、感染が確認された70代男性に海外渡航歴はなかった。東京から帰省した親族が3月20~25日に男性の自宅に滞在。男性は親族と一緒に買い物や食事で市内の商店や飲食店など計3カ所に立ち寄った。さらに長崎空港と自宅の間を自家用車で送迎したという。
 親族が東京に戻った後、26日に男性は発熱。29日に市保健所に相談し、市立急病診療所を受診した。急病診療所の医師の判断で30日、市内の帰国者・接触者外来を受診し検体を採取。市保健所のPCR検査で陽性の結果が出た。県の機関でも確認検査を行い、1日に陽性と確定した。
 男性は発熱などの症状で31日から市内の指定医療機関に入院中。会話には応じているが肺気腫の持病があり、市は「楽観はできない状況」としている。
 男性は60代の妻と30代の長男と同居。市は家族2人と東京在住の親族に加え、急病診療所の50代の男性医師、40代の女性看護師、40代の男性薬剤師の計6人を濃厚接触者と判断。親族以外の5人についてはPCR検査を実施し、いずれも陰性だった。親族についても都内の保健所に検査を依頼中という。
 朝長則男市長は会見で、「基本的には(感染が拡大している地域などへの)不要不急の外出は自粛してほしい。転入転出が多くなる時期のため、窓口での転入手続きの際に注意喚起をしたい」と述べた。

 


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