総理が1週間程度で緊急経済対策取りまとめ指示

 安倍晋三総理は3月31日開いた経済財政政策諮問会議で「西村康稔経済財政政策担当大臣に1週間程度の内に緊急経済対策を取りまとめるよう指示した」と語った。

 規模について、安倍総理は「新型コロナウイルスの感染拡大により、世界全体で経済活動が縮小し、我が国経済にも甚大な影響を及ぼしている。今は感染拡大と重症化の防止が最優先だが、その後は、日本経済を再び確かな成長軌道へ回復させて行かなければならない。そのためには甚大な影響のマグニチュードに見合うだけの強大な経済政策を打ち出していく」と述べた。

 安倍総理は「26兆円の総合経済対策等に加えて、新たな補正予算を編成し、前例に捉われることなく財政・金融・税制を総動員して、思い切った措置を講ずる」とした。

 また「根本的な問題解決には、治療薬・ワクチンの開発・普及が鍵となる。この研究開発を最優先の課題として位置付け、世界に貢献していきたい」と述べた。また「雇用・家計・事業を守り、国民生活の安全・安心を確保していく」とした。

 中西宏明氏(経団連会長)ら4人の民間議員からは「サービス分野等で事業継続が困難な方が増加しているほか、雇用面では非正規等の休業・解雇、内定取消し等の動きが出始めている。先行きの見通しが立たない中、投資抑制や消費節約の動きが顕著化しており、こうした状況が長引けばデフレに後戻りする」との危機感が示された。

 緊急を要することとして「終息を早期化し、その間の雇用・家計・事業を国が守る、という姿勢を明確にし、国民生活の安全・安心を確保し、消費や民間投資の更なる冷え込みに歯止めをかけるべき」としている。

 感染症の終息後の早期のV字回復では特に「観光・飲食・イベント等、著しく影響を受けている分野の消費喚起に当たって割引クーポン等インセンティブを効かせた仕組みを活用すべき。来年の東京五輪に繫がる取り組み、地域の文化・芸術・スポーツを盛り上げ、インバウンドを復活させる取り組み等について官民挙げて拡大していくべき」としている。

 国際面では「自由貿易体制の促進、中国一極集中の分散化、国内回帰といった取り組みを促進すべき」などの意見が出された。(編集担当:森高龍二)

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