3日から自宅待機の西武、過ごし方は様々… 高橋光は「読書」、今井は「打撃練習」

西武・高橋光成(左)と今井達也【写真:荒川祐史】

高橋光は先輩から伝授されたトレーニングに着手予定

 西武は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、チーム全員を3日から3日間自宅待機とすることを決めた。「その後のことは、3日の会議(12球団代表者会議)次第」(渡辺久信GM)で、まともに練習できない期間はさらに伸びる可能性がある。目標の立てにくい日々を、選手たちはどう過ごすのか。“夏の甲子園V右腕コンビ”に聞いた。

 前橋育英2年時の2013年に夏の甲子園を制し、14年ドラフト1位で入団して6年目の高橋光成投手と、作新学院3年の16年夏に優勝投手となり、同年1位入団4年目の今井達也投手。輝かしい球歴を誇る2人だが、現状の大きな違いは高橋光が結婚し、今井が寮生ということだ。

 当面3日間の自宅待機について、高橋光は「せっかくいい感じでここまできたのに、体がなまっちゃいそうで怖いっす。ボールを投げようにも相手がいない」と困り顔だ。「完全オフにはしたくない」との思いから、最近先輩から教わったトレーニング法を取り入れる。

 1つは、目のトレーニング。体を動かしつつ、顔は正面に向けたまま、左右に出されたボードの色を認識する。「武隈さんに教わったのですが、二塁走者を目で牽制する時も、いちいち首を振らずにすむようになるし、その方が投球の際のブレも小さいみたいです」と説明する。また「十亀さんに教わった」という呼吸法のトレーニングも本格的に導入するつもりだ。

 知識を増やすため、最近は毎日読書の時間も設けているとか。報道陣に「オススメの本、ありますか? 僕は漢字を読むのが苦手なんで、なるべく易しいやつを……」と協力を要請して笑わせた。

寮生の今井は室内練習場でのマシン打撃「交流戦で役に立てば…」

 一方、今井の場合は寮にトレーニング機器がそろっている。「寮で自分より歳上は、ルーキーの宮川さん、出井さん、柘植さんの3人だけ。後輩にいろいろ質問されることが増えましたが、人に教えることが、自分にとっても確認になる」とうなずく。

 ただ、投球練習だけはままならない。「休みの日に、柘植さん(捕手)にわざわざ受けて下さいとは言えない。経験のない人に受けてもらって、ケガをされても困る」と諦めている。

 気分転換術は「僕は本を読まない。基本的に部屋でじっとしていられない」と言うだけに、寮に隣接する室内練習場でのマシン打撃だ。「高校時代は9番打者で自信はないですが楽しい。交流戦で役に立てばいいですけど」と笑った。

 昨季、高橋光は10勝、今井は7勝を挙げたが、ともに防御率は4点台と安定感が今一つ。西武の先発投手陣は、松坂が14年ぶりに復帰した今季も、現時点で計算が立つのは昨季12勝1敗のニール1人というのが実情だ。若獅子2人には成長が求められており、何かと不便な開幕までの期間も無駄にすることはできない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

© 株式会社Creative2