レンジャーズ・秋信守 マイナー選手に約20万ドルを寄付

レンジャーズの秋信守(チュ・シンス)は、自身のマイナーリーガー時代に苦しい生活を送った経験を踏まえ、新型コロナウイルスの感染拡大によりシーズンの開幕が延期となるなか、自軍のファーム組織に属するマイナーリーガー191人に1000ドルずつ、総額19万1000ドルを寄付することを発表した。秋は「20年前に韓国から来たとき、僕には何もなかった。野球が僕にたくさんのものを与えてくれたんだ。それを他人へ還元したい」と語った。

2000年8月にマリナーズと契約した秋は、インディアンス移籍後の2008年に94試合に出場してメジャー定着を果たすまで、7年間をマイナーで過ごした。マイナー最上位のAAA級で過ごした最後の3年間(2005~2007年)は、週給350ドルで妻と息子を養っていかなければならず、苦しい生活を強いられた。生活に必要なものを買うために、遠征先で支給される1日20ドルの食費を節約したこともあったという。

「あの経験は今でも覚えているよ。マイナー時代を忘れることはないと思う」と秋。2週間前、キャンプ地のアリゾナを離脱するためにチームのチャーター機に乗っていたときから、マイナーリーガーへの支援について考え始めていたという。「マイナーリーガーの生活は15~20年前に比べれば改善されているけど、金銭的にまだ厳しい状況であることは知っている。マイナーリーガーはチームにとってとても大切な存在だからね。世界が困難な状況に直面してるなか、手助けができるのは素晴らしいことだよ」とマイナーリーガーへの支援を決めた。

これ以外にも、秋は母国・韓国のコミュニティ基金に20万ドルを寄付することを決めている。秋が寄付したお金は新型コロナウイルスにより大きな打撃を受けた大邱(テグ:人口およそ250万人)へ送られるようだ。「大邱は深刻な状況だと聞いた。多くの人々がコロナウイルスに感染している。その地域の助けになりたいんだ」と秋は語った。

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