画像は『三宅健&今井翼真夏の少年「ネバーランド」』より
元SMAPの中居正広がジャニーズ事務所を退所して独立し、「のんびりな会」をスタートさせた2020年4月1日、元ジャニーズの今井翼が松竹エンタテインメントに所属したことが発表されました。
今井が所属する松竹エンタテインメントは、舞台やドラマに強く、片岡愛之助、尾上松也、森口瑤子、紅ゆずる…などの歌舞伎俳優や本格派の役者を擁しており、「舞台をやりたい」という今井にとって、最適な芸能事務所だと見られています。
今井は、2018年10月にジャニーズ事務所の現副社長・滝沢秀明とのユニット「タッキー&翼」を解散し、あわせてジャニーズ事務所も退所していました。持病のメニエール病で療養中であること、その治療に専念したいという理由でした。
「本日4月1日より今井翼が所属いたしました。これからも変わらぬご声援のほどお願いいたします。
今井翼オフィシャルサイト、ファンクラブALA[s]もオープンいたしました、最新情報やオリジナルコンテンツをお届けします。」
このように松竹エンタテインメントが公式に発表したわけですが、今井がようやく本格的な活動を開始するのに1年半かかったわけです。
待ちわびたファンからは早速、喜びの声が上がります。
<ファンクラブも入会しました。本当に感謝!感謝です>
<おめでとうございます! 色々楽しみでいっぱいです>
<翼君応援してます。新しい門出で頑張ってください!>
実は今井は、今年の2月に舞台で無所属のまま復帰していました。「和と洋のコラボレーション」をテーマとした新作歌舞伎『NOBUNAGA』です。
この主演こそが、松竹エンタテインメントの片岡愛之助でした。
すでにこの時点で事務所所属の布石が打たれていたわけですが、なぜ正式の所属が4月1日まで延びたのでしょうか。
それは、中居正広がジャニーズを退所する日まで、今井が待ったからだといわれています。
中居と今井は、神奈川県藤沢市の同じ小中学校出身で、公私ともに慕い慕われている先輩後輩の関係です。今井は、ジャニーズを退所した後の身の振り方まで、中居に相談していたとも伝えられています。
「ジャニーズ事務所を抜けたら潰される」
そう思うのが冗談ではないことを一番知っているのは中居かもしれません。
忘れもしない2016年に起きた“SMAP事変”――前代未聞の「公開処刑」と言われた『SMAP×SMAP』での“生謝罪”、そして“電撃解散”……ジャニーズ事務所を退所した稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾が地上波でほとんど見られなくなってしまいました。
それが事務所の「圧力」か、テレビ局の「忖度」であるかを明らかにするのは難しいですが、公正取引委員会から「独禁法」の疑いがあると注意されたのは事実です。
各局で看板番組を持ち、テレビ業界において不動の立場に見える中居でさえ、「反ジャニーズに回ったら潰される」と考えてもおかしくはありません。
慎重に慎重を重ねて、芸能界の重鎮との太いパイプもしっかり繋ぎ、満を持して独立したわけです。
その中居に相談した結果、今井は松竹エンタテインメントを選んだとすれば、合点はいきます。
もしも噂されていた通り、今井が中居の事務所に所属したならば、まるで「新しい地図」と同じように“脱ジャニーズ色”が強くなりすぎます。
そして今井は、舞台で共演した片岡愛之助を「尊敬している」と公言しています。
あとは、後ろ盾となる「太いパイプ」だけです。
中居独立の後ろ盾の一人と言われている人物がいます。
そうです、笑福亭鶴瓶です。
鶴瓶は、歴史も深く吉本興業と並ぶ関西の大手芸能事務所・松竹芸能の重鎮です。
その松竹芸能の関連会社こそが、松竹エンタテインメントなのです。そこに今井と中居、中居と鶴瓶の太いパイプがあったと考えるのはごく自然です。
今井はかつてジャニーズJr.時代、滝沢秀明と人気を二分していました。その後、華々しくデビューした「タッキー&翼」でしたが、同時期にデビューした嵐に比べれば、「不完全燃焼」だったことは否めないでしょう。
故・ジャニー喜多川氏との太すぎるラインを持つ滝沢は、大河ドラマ『義経』の主演まで務めて「箔」はつけますが、真のトップアイドルとは言い難く、最終的にプロデュ―ス能力を買われて社長への道に進みます。
パートナーでありライバルであった滝沢に対して、今井が何を思っていたかは分かりません。
ですが、もしもジャニーズ事務所を退所したまま、反目に回ってしまえば、「タッキーが翼を潰す」という、本人たちにとってもファンにとっても耐えられない事態になります。
もしくは病気治療後、古巣に戻ったら戻ったで、今さら社長とタレントの関係を構築するのは、お互いに厳しいのではないでしょうか。
松竹エンタテイメントであれば、タッキーの顔を潰すこともなく、やりたいことをやれる……この決断こそが今井にとってベストだったと、思わずにはいられません。(文◎編集部)