令和の大合併! メーカーコラボの夢の妄想ニューモデルも生まれる!?フィアット・クライスラー/プジョー・シトロエン編

アルファロメオ スパイダー

弱肉強食、栄枯盛衰。自動車メーカーも大変なのだ

フィアット・クライスラー・オートモービルズ
グループPSA

2019年12月、自動車業界に大きなニュースが飛び込んできました。

それが、「FCAとPSAの対等合併」。FCA、PSA、って聞いてもあまりピンと来ないかと思いますが、FCAはフィアット(アルバルト・アリファロメオなど)・クライスラー(JeePなど)のグループ、PSAはプジョー・シトロエンのグループです。

経営難が伝えられていたクライスラーをフィアットが救済する形で2014年に誕生したのが、FCA。大企業が組んだことで販売台数は484万台(2018年)になりましたが、それでもまだ世界第8位のメーカーなのです。

1位のVWグループはなんと1083万台、2位のトヨタグループは1063万台を売っています。VWはベントレーやランボルギーニなどの高級ブランドも持っていますし、トヨタはダイハツを子会社に置き、スバルとマツダに出資、スズキとBMWと業務提携を行うほか、PSAともつながりを持っている。いまや世界中の自動車メーカーは、何らかのカタチで繋がっているのです。

自動車業界はまさに弱肉強食。生き残れなくて消滅したメーカーは数知れません。そのため各メーカーともに、他メーカーとの協業を視野に、常に今後を模索し続けているのです。

業界再編で登場する「想像し得なかったクルマたち」

業界再編や新しい関係性が起きると、思わぬ車種が飛び出てくるのがクルマファン的には面白いところ。

アバルト 124スパイダー
ルノー 新型トゥインゴ 2019年8月マイナーチェンジ

マツダ ロードスターがフィアット/アバルト 124スパイダーに変身するなんて、思いつきもしませんでした。しかも本来はアルファロメオ スパイダーが予定だったのですから!

3代目ルノー トゥインゴが、ダイムラー傘下のスマート系リアエンジン車になったのも、初代が発売された頃にタイムスリップして、オーナーに「3代目はRRになるよ」って話をしても、誰も信じなかったでしょう(笑)。

また、少し古い話では、ロータスがまだGMと関係が深かったころ、同じくGM傘下にあったオペルが、エリーゼの兄弟車ともいえるスポーツカー「スピードスター」を発売したほか、エラン(M100)にいすゞ製エンジンが採用されたりしました。

オペル スピードスター
ロータス エラン
アルファロメオ アルナ  

さらに古い話をすれば、日産とアルファロメオが業務提携をして生まれた「アルナ」もすごかった! 2代目パルサー(N12型)のボディに、アルファスッドの水平対向4気筒エンジンを積んだモデルでした。

最近では、いすずがボルボ(トラック部門)と業務提携。そして、ボルボの完全子会社だったUDトラックス(旧:日産ディーゼル)の株式をいすゞが取得する……という話もあったように、今後も、思いもよらない再編や合併があるのかもしれません。

[筆者:遠藤 イヅル]

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