岡山県初の「新型コロナウイルス」関連倒産 (有)トラベルシリウスが民事再生法を申請

 (有)トラベルシリウス(TSR企業コード:710186410、法人番号:3260002033952、真庭市湯原温泉387-1、設立1989(平成1)年9月、資本金1000万円、池田博昭社長)は4月1日、岡山地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は小寺立名弁護士(おかやま丸の内法律事務所、岡山市北区表町1-5-1、電話086-238-2525)ほか1名。
 負債総額は約4億7000万円(2019年8月期決算時点)。
 岡山県内で「新型コロナウイルス」の影響による倒産は初めて。

 1978年4月に創業。宿泊施設「湯原国際観光ホテル菊之湯」、「ゆばらの宿米屋」などを経営するほか、倉吉市から委託を受けた「グリーンスコーレせきがね」などを運営していた。また、国内旅行代理店、貸し切りバス事業、飲食店も併営。2013年には(株)シリウスリレーションズ(TSR企業コード:712228551、法人番号:8260001026218、真庭市)を設立し、温浴施設の運営も手掛けていた。この間、ホテル施設を買収するなど、積極的に事業を拡大した。
 宿泊施設や温浴事業の再生コンサルティングも手掛け、当地での注目は高かったが、相次ぐホテル施設の買収などで借入金は膨らみ、資金面は不安定に推移。2018年9月にはシリウスリレーションズが破産を申請し、当社の経営も悪化していた。
 2020年に入ってからは支払遅延が発生していたほか、2020年3月には倉吉市より委託を受けていた「グリーンスコーレせきがね」の運営業務を停止して多額の違約金が発生。「ホテル蒜山ヒルズ」からの経営撤退も決定し、新型コロナウイルスによる売上減少もあり、民事再生による再建を選択した。
 今後は「湯原国際観光ホテル菊之湯」、「ゆばらの宿米屋」の経営に専念して再建を図る方針。

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