勝負の世界は非情なもの。どれほどの死闘を繰り広げても、後世に語り継がれるのは往々にして勝者のみである。
しかしながら、スポーツの世界ではしばしば「記録より記憶に残る選手」という表現が用いられ、記録という絶対的な尺度に対し、記憶という曖昧なものが打ち勝つこともある。
そこで今回は、「負けたこと」がかえって記憶に残ることとなった選手たちを特集しよう。
ヨハン・クライフ(オランダ)
ヨハン・クライフはサッカー史上「最も美しい敗者」と呼べるのかもしれない。
ナチス・ドイツから解放された直後のオランダに生まれ、フランコ政権の弾圧に苦しむバルセロナで英雄となった彼は、勝利以上に芸術的なフットボールに固執した。
その美学が恩師リヌス・ミケルスの“トータル・フットボール”を体現させ世界を席巻するのだが、それが彼から代表でのタイトルを遠ざける結果ともなった。
トータル・フットボールの集大成と考えられた1974年ワールドカップでは、決勝で皇帝フランツ・ベッケンバウアー擁するドイツ代表に完璧に封じ込まれ儚く散っている。
リオネル・メッシ(アルゼンチン)
バルセロナで考え得る全てのモノを手にしたメッシだが、アルゼンチン代表でのタイトルだけは手にしてない。その事実が、未だマラドーナを越えていないとされる所以だ。
2014年ワールドカップは決勝まで勝ち進んだものの、ドイツ代表に敗戦。2015、2016年のコパ・アメリカでも決勝に進んだが、いずれもチリ代表に敗れた。
3年連続ファイナルでの敗戦は、メッシの心をも深く傷つけた。試合後にはこんな表情に…。
フットボールの神様はなぜメッシに勝たせることを拒むのか…。
歪んだ表情で目を潤ませるメッシの悲壮な姿は、あまりにも胸が痛いものだったが、同時にこれこそが勝負でありサッカーの美しさを象徴するものでもあった。
メッシも32歳となり、現役選手として残された時間は限られたものとなっている。不世出の天才は、引退までに歓喜の涙を流すことができるだろうか。
ロベルト・バッジョ(イタリア)
日本でも一世を風靡した“ファンタジスタ”の代名詞となったバッジョ。
しかしそんな彼には常に悲劇が付きまとった。それを決定的なものにしたのがブラジル代表に敗れて準優勝に終わった1994年ワールドカップ決勝でのPK失敗だろう。
天才的な技術を持ちPKも得意としていた彼だが、この時キックは空高く消えていくことに…。
ピッチの上に立ち尽くす「10番」の姿はサッカー史に残る悲劇的な名場面となった。
バッジョの失敗で母国イタリアは優勝を逃すこととなり、彼に対しては心無い声も寄せられた。だがバッジョはこう反論している。「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持った者だけだ」と。
クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)
メッシと共に「世界最高の選手」として君臨し続けるロナウドだが、彼のドラマはここから始まった。
北大西洋に浮かぶマデイラ諸島に生を受けた青年は、2003年夏にマンチェスター・ユナイテッドと電撃的な契約を結び、大きな話題に。
翌年夏に19歳で自国開催のユーロ2004に出場すると、大先輩ルイ・コスタやフィーゴらの支えを得て活躍し、そこからスターへの階段を上っていった。
ただ決勝では伏兵のギリシャ代表に敗れることに。手中に収めたかに思われた初優勝を逃し、ロナウドは人目を憚らず涙する。
勝者であることに憑りつかれた彼は、サッカーキャリアにおいてたびたび涙している。しかしこの時の涙が、その後の活躍の原動力となったと言っていいだろう。
それから12年後の2016年、サッカー界で確固たる地位を築いたロナウドは、主将として母国ポルトガルを初の欧州制覇へと導いている。
オリバー・カーン(ドイツ)
GK大国のドイツの中にあっても、オリバー・カーンはあらゆる面で突出した存在だ。
見るからに強面の表情と一切の妥協を許さぬ性格から“闘将”として恐れられた彼は、バイエルンでプレーした14シーズンにブンデスリーガ8度、CL1度のタイトルを獲得。21世紀前後における「世界最高のGK」として君臨した。
ただそのカーンもドイツ代表では長く控えに甘んじ、守護神として獲得したタイトルはない。
最も栄光に近付いたのは腕章を巻いて参加した2002年のワールドカップだったが、決勝でロナウド、リヴァウド、ロナウジーニョの「3R」が猛威を振るったブラジル代表に0-2で敗戦。
試合後カーンは茫然と立ち尽くし、その後ポストに寄り掛かるようにして座り込んだ。
芸術よりも実利を好むドイツ人。中でもカーンは子供相手にも本気になるほど負けず嫌いの男であり、この敗戦は決して受け入れ難いものであっただろう。
そんな“闘将”が見せたこの姿は、皮肉にも勝者と同じくらい印象的なものとして見る者の心を捉え、彼を歴史へと残すことになった。
ちなみにカーンは非常にクラシカルなGKで、足元の技術やビルドアップ能力は高くなかったものの守ることに関しては歴史上でも最上位といえる。
最近、新型コロナウイルスの騒動でサッカー選手は自宅待機を余儀なくされており、そこで「外に出るGK」として元コロンビア代表GKレネ・イギータが話題となった。
しかし今まさに世界に求められているのは、持ち場にしっかりと「待機」できるカーンのような忍耐力であろう。
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