大学生6人が日系社会学ぶ=外務省支援事業「JUNTOS!」=ブラジルへの理解深める

来社した一行

 日本の外務省支援事業「JUNTOS!中南米対日理解促進交流プログラム」で在日ブラジル人等への支援活動を行なう大学生6人が、3月1日~7日までサンパウロ州とパラナ州を巡り、当地の日系社会を学んだ。コロナ危機以前の3月4日に来社していた。

 来伯したのは、青山学院大学の坂口義也さん(23、神奈川県)と長峯幸来(ながみねさら)さん、神田外語大学の清水智史(しみずさとし)さん(20、千葉県)と渡辺風香(ふうか)さん(19、埼玉県)、岐阜大学の新城愛優(しんじょうあゆ)さん(20、岐阜県)、日本大学の高杉奈央(たかすぎなお)さん(22、静岡県)。
 一行はサンパウロ州に4日間滞在し、サンパウロ市では国外就労者情報援護センター(CIATE)、イビラプエラ公園の慰霊碑、大志万学院、文協等を回り、サンパウロ州地方部のマリリア、プレジデンテ・プルデンテ、ポンペイア、ツッパン、バストスを訪問。
 パラナ州クリチバ市にも足を運んで2日間滞在し、再びサンパウロ市に戻ってジャパン・ハウス等を訪れた。
 大学4年生の坂口さんは、大学でヨーロッパ移民に対する教育を学んでおり、自らもNPO法人ABCジャパン(神奈川県鶴見区)で在日ブラジル人などにボランティアを行っている。自身の両親が日系アルゼンチン人であることも日系社会に興味を持った理由の一つだ。卒業後は、英語科の教員として働く。
 新城さんは教育学部英語科に在籍している。在日ブラジル人が多い岐阜県だが、「日本の公立の授業についていけない生徒やイジメの被害を受ける子もいるが、それに対するサポート体制がない。そもそも教師が生徒に何を支援すれば良いか教えていない」と現状に課題を感じ、ブラジルにおける日系人の教育を学ぶためにプログラムに参加した。
 今までの日程で最も印象に残ったのは、2日に視察した大志万学院だ。「四言語教育に衝撃を受けた。茶道や合気道など日本文化を学ぶ授業もあるのが凄い」と感心した様子。
 高杉さんは日本語教員養成プログラムを履修する過程で、NPO法人ABCジャパンで在日外国人へのボランティアを行い、「スペイン語を話すだけで子供の様子が変わることに興味を持った」と語る。その後、スペイン語を学ぶためにコロンビアへ留学した。
 今回、ブラジルの日本語教育について話を聞いて「日本と違って生徒に歩み寄るような教育を行っている」という印象を語る。また、マリリアを訪れた際に「文協の婦人部から頂いたお弁当が日本式で美味しかった」としみじみと語り、「皆の温かい雰囲気が伝わってきて嬉しかった」と微笑んだ。

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