もったいない! 「殻」「あら」使い新製品開発

平戸市特産のウチワエビの殻やトラフグのあらなどを再利用した新製品

 長崎県平戸市の平戸さくら水産(納屋栄二代表)と農事組合法人ひらど新鮮市場(松本俊春組合長)が、同市の支援で生産から加工、販売まで手掛ける6次産業化に取り組み、特産品のウチワエビの殻やトラフグのあらなどを再利用した六つの新製品をそれぞれ開発した。
 平戸さくら水産は、ウチワエビの殻を焼いて酢や油に漬けた「ウチワエビ酢」「ウチワエビ油」と、殻の粉末を混ぜた「ウチワエビ塩」を開発。ウチワエビの香ばしいにおいが食欲をそそる逸品で、サラダのドレッシングやチャーハンなどの香り付けに重宝しそう。4月中旬ごろ発売する。
 ひらど新鮮市場は、さばいたトラフグのあらに残った身を丁寧に取り出し、低い温度の油で加熱、調理した「平戸とらふぐのコンフィ」を考案。味付けはプレーン、バジル、中華の3種(各60グラム、800円)。このほか、「平戸アジのオイル漬け」(50グラム、800円)や「ブリまぜご飯の素」(100グラム、500円)も開発し、同市場で販売している。
 市の助成を受けて開発した。納屋代表らがこのほど、同市役所を訪れ、黒田成彦市長に報告。廃棄されていた殻などを再利用したアイデアあふれる新製品に、試食した黒田市長は「いずれもおいしかった」と味に太鼓判。「現場の“もったいない”意識が画期的な新製品を作り出した。着眼点、努力に敬意を表したい」と話した。

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