F1 Topic:イタリアとフランスで外出制限措置が延長。各チームのシャットダウン期間に影響も?

 F1界は、通常夏休みに実施しているファクトリー閉鎖をレースを行うことができない3月から4月に前倒しし、さらにその期間を14日から21日に延長して全チームが実施中だ。

ただし、その期間はチームによって異なる。筆者が独自に各チームに連絡をとって調べた結果は、以下の通りだ。

■2020年シャットダウン期間(4月2日時点)

コンストラクター
メルセデス 3月28日の午前6時〜4月18日の午前6時
フェラーリ 3月19日〜4月8日
レッドブル 3月28日〜4月17日
マクラーレン 3月25日〜4月14日
ルノー 3月30日〜4月19日
アルファタウリ 3月28日〜4月17日
レーシングポイント 3月25日〜4月15日
アルファロメオ 3月23日〜4月13日
ハース 3月19日〜4月8日
ウイリアムズ 3月25日の午前6時〜4月15日の午前6時

■PUマニュファクチャラー

メルセデス メルセデス 3月28日の午前6時〜4月18日の午前6時
フェラーリ 3月20日〜4月5日
ルノー 3月19日〜4月5日
ホンダ 3月30日〜4月19日

 この中で興味深いのは、ファクトリー閉鎖をレースを行うことができない3月から4月に前倒することを決定した3月18日の翌日に、フェラーリとハースがファクトリーをシャットダウンしていたことだ。その理由をフェラーリは次のように語っている。

モデナにあるフェラーリF1のファクトリー
フィオラノのプライベートコースも閉鎖される

 これに対して、ハースを除くイギリスに本拠地を置くメルセデス、レッドブル、マクラーレン、ルノー、レーシングポイント、ウイリアムズの6チームが3月25日以降だったのは、イギリスのボリス・ジョンソン首相が3月23日の夜にテレビで、生活必需品の買い物などを除き、原則として外出を禁止すると発表したことが影響したと考えられる。

 イタリアにファクトリーがあるアルファタウリが3月27日までファクトリーを開けていたのは、レッドブルテクノロジーのシャットダウンとタイミングを合わせたと考えられる。

 ルノーは、コンストラクターはイギリス・エンストーンにあるが、パワーユニットの開発拠点であるヴィリー=シャティヨンはフランス・パリ郊外にあり、こちらは3月19日からシャットダウンが開始されている。

エンストンにあるルノーF1のファクトリー

 ただし、その期間は4月5日までとなっており、21日間ではなく、18日間だ。これはルノーに問い合わせたタイミングがPUマニュファクチャラーもシャットダウンを行うという発表よりも前だったためで、3月30日の発表を受けて、4月8日まで延長されるものと考えられる。

 しかし、このファクトリー閉鎖期間は、さらに延長される可能性が高まっている。というのも、イタリアとフランスがすでに外出を制限する措置を延長したからだ。イタリアは4月1日に、当初は4月3日までだった予定を13日まで延長。フランスは3月27日に、当初3月末までだった予定を少なくとも4月15日まで延長すると発表している。

 現時点で、イギリスの外出禁止令は3月24日から3週間となっており、4月14日までの見込みとなっているが、4月2日時点で感染者数が世界で8番目に多く3万人に達しようとしている現状では、いつ延長されても不思議ではない。

 そのことを予測してか、筆者からの質問に対する各チームの広報からの返答も「少なくとも3週間」とか、「ファクトリー閉鎖期間が延長されなければ」という、補足が添えられていた。

3月19日からシャットダウンを開始したフェラーリ
3月19日からシャットダウンを開始したフェラーリのF1部門

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