9歳でカメラ雑誌銅賞 石本さん、放置自転車を撮影

受賞作が掲載された日本カメラ4月号を手にする石本さん

 カメラ雑誌「日本カメラ」4月号の月例フォトコンテスト学生の部で、長崎市立城山小4年の石本かのんさん(9)が、放置自転車を子どもの視点で切り取ったモノクロ作品「やりっぱなし」で銅賞を受賞した。
 日本カメラ編集部によると、学生の部には197点の応募があり、小学生の入賞は珍しいという。受賞作は「自転車2台を対角線に配置して目立たせ、奥まで延びる路地も空間の見せ方としてうまい。大人が見過ごしている何でもない光景を見逃さなかった」と評された。
 石本さんは写真歴4年半。5歳のころ、カメラが趣味の父敬喜さん(35)から使わなくなった一眼レフカメラをもらった。人や風景などを撮り始め、7歳で個展を開くほどの腕前になったという。
 受賞作の光景は、正月に家族で撮影に出掛け、出合った。「路面電車が見える道路から中に入った細い道はうす暗くて、少し怖くてまるで別世界」。繁華街の路地裏に興味を引かれた。駐車禁止の場所に無造作に置かれた自転車。「だめだなぁ~」と思いながらシャッターを切った。
 「モノクロに挑戦し、面白い作品が撮れたので初めてフォトコンテストに応募した。『受賞はまぐれ』と言われないよう、次は金賞を取りたい」と意欲を燃やしている。

石本さんの作品「やりっぱなし」

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