少年野球「ポニーリーグ」も苦渋の決断 大会中止と練習禁止を通達「見通しがつかない」

日本ポニーベースボール協会は4月2日に最新の通達を行った

5月開催予定の「広澤克実杯」、年齢別の国際大会も中止に

 硬式少年野球団体である一般社団法人・日本ポニーベースボール協会は、新型コロナウイルスの蔓延に際して、3月13日以降、各チームに対応を求める通達を出してきたが、4月2日に最新の通達を行った。

 5月9、10日開催予定の「広澤克実杯 全日本地域対抗選手権大会兼日本代表選手選考会」は中止。年齢別の国際大会であるアジアパシフィックゾーンチャンピオンシップトーナメントU-12(インドネシア開催)、U-14・U-16 U-18(フィリピン開催)も中止となった。

 また、各リーグの本拠又練習場所、選手居住地域自治体から「外出自粛要請」が発せられている地域は、これを遵守すべく全ての活動を禁止。「選手の本分は学生である」これを肝に命じ、選手が在籍する中学校の指示・指導等を遵守すること。特に、新学期からの学校再開が延長された地域は(リーグ内に1人でも該当となる選手が在籍する場合も含め)当面の間の全ての活動を禁止する。(再開は、連盟長の判断により各連盟毎に通達する)

 新学期からの学校再開が延長された地域は(リーグ内に1人でも該当となる選手が在籍する場合も含め)当面の間の全ての活動を禁止する。当面の間、練習試合を含む一切の対外試合を禁止する。(再開は、連盟長の判断により各連盟毎に通達する)ことを決定した。

 通達では、全ての協会関係者が「ルールを守った行動が、命を守り、家族や仲間を守ることにも繋がる」との認識を礎に判断・行動することを呼びかけている。

日本ポニーベースボール協会の那須勇元事務総長「率直に言って見通しがつかない」

 また、各地の連盟に向けて「新型コロナウイルス感染症対策」と題したマニュアルを送信。症状や感染経路などをわかりやすく説明し、チーム集合前、集合時、移動時、球場到着時、チーム活動中、自宅到着時などにどのような対応をすべきかを細かく説明している。

 ポニーリーグは、選手数約2000。中学レベルの主要な硬式野球4団体では一番小さいが、原則として大会はすべてリーグ戦、12人そろえば1チームとし、チームの全員が試合に出場する、「リエントリールール」で一度試合から外れた選手も再度出場可能。さらに球数制限を導入。国際標準バットや、試合中の言動マナーに関するイエローカードの導入などの先進的な施策を推進し、近年、選手数が増加している。

 日本ポニーベースボール協会の那須勇元事務総長は、今後の見通しについて

「率直に言って“見通しがつかない”の一言です。現段階では4月中の再開は無理だと考えています。5月以降、特に今年が最終年度となる中学3年生に対して“二度と戻らない今の、かけがえのない思い出作り”を必ず成し遂げるようにだけはしたいと考えています。協会の最大行事である全日本選手権大会の開催に向けて、可能な限りの調整をしたいと考えています」と話した。

 春になったのに、野球も練習もできないのは、野球少年にとってつらいことではある。しかし、子供の健康を守り、感染を拡げないことも指導者の責務だ。子供たちへの理解を進め、全員で来るべき「球春到来」を待ちたい。(広尾晃 / Koh Hiroo)

© 株式会社Creative2