護衛艦「きりさめ」中東派遣へ 海上自衛隊佐世保基地から

地元からは期待と不安 専門家は疑問視

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 海上自衛隊佐世保基地の護衛艦「きりさめ」の中東派遣が決まった。佐世保市の海自関係者らは隊員の職務遂行を期待する一方、専門家は新型コロナウイルスが世界的に感染拡大する中での派遣を疑問視した。
 海自OBらでつくる佐世保水交会の外村尚敏会長=元海将補=は「隊員には職務を全うしてほしいし、長丁場の任務の中での自己管理など自分が学んだ教訓を助言したい」と期待。市自衛隊家族会の野村善満事務局長は「残された家族に安心感を与えられるようサポートしたい」と述べた。
 中東派遣は防衛省設置法の「調査・研究」が根拠。当初から自衛隊の海外活動が野放図に広がるとも懸念された。長崎大非常勤講師で東アジアの安全保障環境に詳しい篠崎正人氏は「迅速な対応が必要となった場合は現場判断になる。情勢が不安定な中東に派遣するのに、さまざまな状況を想定した規定がないのは政府の怠慢だ」と指摘。さらに「米国は自国の新型コロナウイルス対策に注力している。政府がこの時期に派遣を決めた理由が分からない」と批判した。
 護衛艦「きりさめ」の隊員の知人女性は「無事に帰ってきてほしい。新型コロナウイルスに感染しないかどうか二重の不安がある」と心配そうに話した。