コラム凡語:片仮名用語

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 「片仮名が並んでいるが、年寄りには分からない」―北陸のある市議会で今春、市の観光促進事業に登場する横文字に最長老議員が苦言を呈し、「日本語」での説明を求めた。フォトジェニック、インフルエンサー、エリアブランディング…それぞれ写真映え、影響力を及ぼす人、地域のブランド化を意味するようだが、分かりにくい▼関東の県議会では県庁に新設された「デジタルトランスフォーメーション課」といった部署名に物言いが付いた。デジタル技術による変革を進める施策を担当するらしいが、???▼昨今、横文字の頻度が増し、議員諸氏の小言にうなずく人も少なくないだろう。言い換えると微妙に意味合いが異なるとはいえ、なじみの薄い表現の多用はいかがなものか▼だが、新型コロナウイルスの感染拡大でまたも新顔が現れた。クラスター(感染者集団)やオーバーシュート(爆発的患者急増)、ロックダウン(都市封鎖)など耳慣れない用語だ▼「わざわざ片仮名で言う必要があるのかな」と改善を求める閣僚発言もあった。どうして平易な日本語で言い表さないのだろう▼よく知らない言葉が乱用されると、現実に何が起きているのかが正確に伝わりにくくなる。国民の十分な理解と協力なしには、手ごわいコロナ禍に打ち勝てない。