コロナ禍、障害者の働く場も苦境 熊本県内の作業所、受注・収入も減

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「就労支援センターくまもと」で作業に取り組む利用者。新型コロナウイルスによる景気悪化は障害者の働く場にも影響を及ぼしている=1日、熊本市北区

 新型コロナウイルスによる国内景気の悪化が、熊本県内の障害者の働く場にも影響を及ぼしている。企業から軽作業の委託を受ける就労継続支援事業所では受注が減ったほか、パンなどの自主製品も訪問販売ができなくなり売り上げが激減。関係者は、事態が長引けば事業所の存続にも関わるとして、危機感を強めている。

 1日、熊本市北区の「就労支援センターくまもと」。利用者約20人が、県内企業から受注したドリンク剤の箱折りや梱包[こんぽう]をこなしていた。運営するNPO法人「自立応援団」の福島貴志理事長(56)は「通常なら行楽シーズンや大型連休を控えて受注が増える時期だが、例年に比べ3割ほど減っている」と肩を落とす。

 県内の障害者作業所でつくる「きょうされん熊本支部」は3月12日から19日まで、県内の就労継続支援事業所32カ所に新型コロナの影響を聞くアンケートを実施。4割超が「委託事業が減った」と答え、「自主製品の売り上げが減った」という事業所は8割に上った。

 パンやクッキーなどの自主製品は、学校や医療機関などを訪問して販売していたが、新型コロナの影響で休校が続き、医療機関などからは立ち入りを制限されるように。卒業式関連の会合用に注文を受けた弁当がキャンセルされるなどして、売り上げが40万円減となった事業所もあったという。

 国から事業所に支払われる報酬(訓練等給付費)は、利用者の平均工賃や労働時間を基に算定されるため、委託事業の減少は事業所の収入減に直結する。就労継続支援A型事業所の場合、利用者は平均7万円ほどの給料を得ているが、仕事が減れば生活にも影響しかねない。

 「きょうされん」熊本支部長を務める福島理事長は「このまま景気後退が続けば、運営が厳しくなる事業所も出てくる」と懸念。「障害者の社会参加と収入を得る場としての事業所を守るため、訪問販売の受け入れや仕事の発注で企業などに協力を求めたい」と話す。(福井一基)