メジャーの実績は日本で通用したのか? 過去に来日した“超大物助っ人”を振り返る

オリックスのアダム・ジョーンズ【写真:荒川祐史】

アンドリュー・ジョーンズは楽天に加入し1年目でリーグ優勝、日本一に貢献

 今シーズンはMLB通算282本塁打の超大物アダム・ジョーンズ外野手がオリックスに加入し話題を集めている。過去にもメジャーで輝かしい実績を残した多くの助っ人が日本球界でプレーしたが、ここでは“大物”と呼ばれた主な外国人選手が日本でどのような成績を残したか振り返ってみる。

○レジー・スミス(巨人)
MLB通算 2020安打、314本塁打、1092打点

 1982年オフにFAとなり巨人と契約。オールスターに7度出場、ゴールドグラブ賞1回とメジャーで数々の実績を誇るスイッチヒッターは83、84年の2年間プレー。移籍1年目は103試合の出場に留まったが打率.285、28本塁打、72打点をマークし同年はリーグ優勝、日本シリーズでは西武に敗れる。NPB通算は186試合、打率.271、45本塁打、122打点。

○アンドリュー・ジョーンズ(楽天)
MLB通算 1933安打、434本塁打、1289打点

 2012年オフにFAとなり楽天と契約。10年連続ゴールドグラブ賞、2005年には本塁打(51本)、打点(128打点)の2冠王に輝いた正真正銘の大砲は移籍1年目の2013年に球団史上初のリーグ制覇、日本一に貢献。主に4番に座り在籍2年間で281試合、打率.232、50本塁打、165打点をマークした。

○ウィリー・デービス(中日、クラウンライター・ライオンズ)
MLB通算 2561安打、182本塁打、1053打点

 日本にやってきたメジャーリーガーでは最多の2562安打の実績を引っ提げやってきた“安打製造機”。全盛期こそ過ぎていたが1977年に中日に移籍。同年は打率.306、25本塁打、63打点を記録したがシーズン中に左手首を骨折し72試合の出場に。オフに金銭トレードでクラウンライター・ライオンズに移籍し78年は127試合に出場し打率.293、18本塁打、69打点をマークしたが素行不良もあり退団となった。

○リッチ・ゴセージ(ダイエー)
MLB通算 124勝、107敗、310セーブ、防御率3.01 (ホークス退団後を含む)

 最多セーブ3度、最優秀救援投手2度に輝いたMLB屈指の守護神は1990年シーズン途中にダイエーに移籍。39歳と全盛期の力を発揮できず28試合に登板し2勝3敗5セーブ、防御率4.40の成績で同年オフに退団。だが、その後もレンジャーズ、アスレチックス、マリナーズでプレーし1994年に引退。2008年には野球殿堂入りを果たした。

ドジャース時代の06年に16勝を挙げて最多勝に輝いたペニーはわずか1試合でホークスを退団

○ブラッド・ペニー(ソフトバンク)
MLB通算 121勝101敗、防御率4.29(ホークス退団後を含む)

 ドジャース時代の2006年に16勝を挙げて最多勝に輝くなど、2年連続2桁勝利、通算119勝の実績を引っ提げて2012年に鳴り物入りで加入。だが、初登板となった楽天戦でKOされると右肩の痛みを訴え登録抹消され退団。その後、わずか10日後にMLBのジャイアンツと契約した。NPB通算は1試合、0勝1敗、防御率10.80。

○フリオ・フランコ(ロッテ)
MLB通算 2586安打、173本塁打、1194打点(ロッテ退団後も含む)

 1995年にMLBストライキの影響とボビー・バレンタイン監督の誘いを受け入団。移籍1年は127試合に出場し打率.306、10本塁打、58打点、一塁手でゴールデングラブ賞を獲得。2度目の来日となった1998年は40歳ながら131試合に出場し打率.290、18本塁打、77打点と活躍した。また、2015年にはBCリーグ石川で選手兼任監督としてプレーしている。

○トニー・フェルナンデス(西武)
MLB通算 2276安打、94本塁打、844打点

 1999年オフにFAとなり西武に移籍。わずか1年の在籍だったがチーム内でも人望が厚く、2000年は103試合に出場し打率.327、11本塁打、74打点をマーク。退団後はブルワーズ、ブルージェイズでプレーし2001年に現役を引退。2020年2月に腎臓の合併症と脳卒中で亡くなったことが伝えられた。

 上記で紹介できなかった選手でも有名なのは1997年に阪神に加入したグリーンウェル。右足を骨折し「神のお告げ」で現役引退、わずか7試合の出場に終わった。その他にもカープアカデミー出身で1996年から2年間広島に在籍したソリアーノは1999年にヤンキースに移籍するとMLB通算2095安打をマークするなど大活躍を見せた。

 またNPBではないが、レッドソックスなどでプレーしMLB通算555本塁打をマークしたマニー・ラミレスは2017年に四国アイランドリーグ・高知に入団し1シーズンプレーしている。

 通算○○本塁打、通算○○安打、通算○○勝…。世界最高峰の舞台メジャーリーグからやってくる助っ人には必ずと言っていいほどこのような言葉が並ぶ。実績通りに活躍した選手もいれば期待外れに終わった選手もいる。オリックスのジョーンズを含め今季加入した“助っ人たち”はどのような活躍を見せるか注目だ。(Full-Count編集部)

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