新型コロナの影響で給与カットを検討している複数のクラブ。現状は…

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ライオネル・メッシ 写真提供: Gettyimages

新型コロナウイルスの拡大で混乱しているサッカー界。世界のクラブが抱えているのはリーグ再開の日程の問題だけではない。最も深刻な課題となっているのは経済的に生き残ることである。そのため、選手のサラリーカットが欠かせないトピックとなっているのだ。

確かに1部のプロリーグで戦う選手の年俸は一般人と比べたらはるかに高く、少しくらいなら減少とカットされても致命的な問題とはならないだろう。しかし、サラリーカットに協力的な選手もいれば、納得のいかない選手もいる。

このトピックに対する現状をまとめてみた。選手とクラブはどんな動きを見せているのだろうか。

ジョルジョ・キエッリーニ 写真提供:GettyImages

サラリーカットに向けて最も早く動いたクラブは…

最初にサラリーカットを実現させたのはドイツのボルシア・メンヒェングラートバッハである。クラブのスタッフが仕事を失わないように選手たちは自らフロントに提案をし、話し合いがスムーズに進んだという。

その後、同じくブンデスリーガに所属しているシャルケも(プレイヤーとクラブが合意し、2020年6月までサラリーカット)バイエルン・ミュンヘンも(選手全員がサラリーを20%カット)ボルシア・メンヒェングラートと同じ方向を向いている。

イタリアのユベントスも素早い動きを見せた。チームキャプテンであるジョルジョ・キエッリーニが選手全員を納得させたことで、ビアンコネーリ(ユベントスの愛称)は9000万ユーロ(約105億円)のコストダウンができたという。

イングランドではマルセロ・ビエルサ監督がリードするリーズ・ユナイテッドの行動を褒めるべきだろう。一般のスタッフに経済的な影響がでないように、選手とコーチングスタッフは給与の受け取りを放棄したのだ。

写真提供:GettyImages

バルセロナ、アトレティコ、エスパニョールは70%のサラリーカットを発表

バルセロナでは状況が少し深刻だった。会長のジョゼップ・マリア・バルトメウからサラリーカットの提案が選手に報告された時に、チームは案を却下したと複数のメディアが報じた。

しかしその後、クラブのキャプテンであるリオネル・メッシはSNSを使ってその情報が事実ではなかったと発言し、コロナの深刻な状況が落ち着くまでバルセロナの選手がサラリーを70%カットすることを発表した。

スペインではアトレティコ・マドリードとエスパニョールの選手もバルセロナと同じ選択をしている。

AIC会長ダミアーノ・トンマージ 写真提供: Gettyimages

サラリーカットの話がうまく進まないパターン

フロントと選手のサラリーカットの話し合いがどこでもうまく進んでいるわけではない。サラリーカットに反対している選手もいれば、黙ってリーグの判断を待つクラブと選手もいる。

ブラジルではサッカー協会が4ヵ月ほどプロ選手のサラリーを支払わないという提案を出したが、選手全員が一団となりその提案に反対したという。協会とクラブのやりとりはしばらくの間続きそうだ。

イタリアではユベントスのような流れがベストだと思われているが、他のクラブでは話がまとまっていない。解決方法を見つけるため、イタリアサッカー協会とAIC(サッカー選手協会)が4月3日に初めての話し合いをしたと複数のメディアが報じたが、3月分の給料がネックとなり話はあまり進んでいないという。

おそらく、どの国でもサッカー協会が方向性を決めるのには時間がかかるだろう。ボルシア・メンヒェングラートバッハ、バルセロナ、ユベントスなどのようにサッカー協会の判断を待たずに各クラブで解決方法を見つけた方がベストに思える。