食べ歩きとは少し違う一歩先の旅:旅行中に街の歴史を知りたくなったら?ニューヨーク歴史協会へ【博物館】

ニューヨークに観光に来て街中を歩いていると、今でも古いビルが現役で使われていることに驚くでしょう。この街の景観の美しさは、特徴のない無機質な近代ビルだけがあるのではなく、歴史的なビルや橋、道路を今も大切に保存し、使い続けていることにあります。美味しいものを食べたり景色の写真を撮ったりする旅ももちろん楽しいですが、街の歴史や成り立ちを学ぶと、もっとその街のことを深く知ることができ、旅がさらに味わい深くなってきます。

(c) Kasumi Abe

歴史を学ぶ、今までとは少し違う旅を

歴史を少し知りたいと思ったら、オススメのスポットがあります。ニューヨーク歴史協会は今から200年以上前の1804年、ニューヨーク初の博物館として設立されました。創設者11人は、独立戦争の過酷な時代を生き抜き、後世の人々にその激動の歴史を伝え続けたいという思いで、ここをオープンしたといいます。

アメリカでの女性の権利の歴史「ウーマンマーチ」

1984年の大統領選で女性で初めて副大統領候補に指名された、ジェラルディン・フェラーロさん。(c) Kasumi Abe

アメリカでは2020年、大統領選挙の特別の年ですが、昔から女性にも投票権があったわけではありません。この国で公式に、女性に投票権が与えられたのは100年前です。1920年8月18日に承認された第19条改正で女性に投票権が付与されました(ちなみに日本で女性に投票権が与えられたのは1945年です)。

これを記念し、ニューヨーク歴史協会の4階では2020年2月28日から、女性の権利の歴史を保存、展示した「ウーマンマーチ」展が開催されていました(2020年8月30日まで開催予定でしたが、新型コロナウイルス危機によるニューヨーク州内施設のロックダウンのため、4月5日現在休館中)。

参政権を女性が獲得するまでには、女性活動家によるさまざまな主張や闘争が起こりました。女性の権利を主張する 「ウーマンマーチ」は今から200年前に始まったとされています。

ウーマンマーチで使われてきたさまざまなプラカード(c) Kasumi Abe

展示を見ることはできませんが、アフリカ系アメリカ人の女性改革者、ライター、教師、論者のフランシス・エレン・ワトキンズ・ハーパー(Frances Ellen Watkins Harper)さんが1866年、ニューヨークで行われた「第11回全国女性権利条約」の議長を務めた時のことを、女優のAriana DeBoseさんが演じている映像はサイトで観ることができます。

ティファニーのランプの展示も見逃せない

館内にはティファニーランプの展示も(c) Kasumi Abe

同じ4階には、100以上の宝石のように美しいガラス細工が施された、世界最大規模のティファニーランプの展示もあり、ティファニーファンはぜひこちらもチェックしてみてください。

館内にはギフトショップもあり、各種トートバッグ(14ドル95セント)や、ティファニーのガラス細工がモチーフのスカーフ(58ドル)やブックマーク( 11ドル95セント)、コースター(24ドル)などが買い求めやすくて人気。お土産にもおすすめです。

New-York Historical Society(ニューヨーク歴史ソサエティー)

住所: 170 Central Park West, New York, NY 10024, U.S.A.

電話:(212) 873-3400

営業時間は季節によって変わりやすいので、ウェブサイトで確認のこと。

HP: https://www.nyhistory.org/visit/plan/accessibility

[All photos by Kasumi Abe]

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