浅茅湾 緑のじゅうたん アオサ収穫最盛期

干潮を見計らって、網に生えたアオサを収穫する組合員=対馬市美津島町加志

 長崎県対馬市の春の風物詩、海藻のアオサ漁が島内沿岸で最盛期を迎えている。浅茅(あそう)湾に面した美津島町加志(かし)地区では、干潮時に養殖のアオサがびっしりついた網が現れ、海に緑色のじゅうたんを敷いているように見える。
 同地区では美津島町西海漁協の組合員15戸ほどが昨年9月、海底から約50センチほどの高さにつり下げた網に種付けして準備。今年3月中旬ごろから本格的に収穫している。
 養殖しているのは加志川の河口近く。奥行き約25メートル、幅約300メートルにわたってアオサ用の網が張られており、組合員は潮が引くと5~10センチほどの長さに育ったアオサを手で摘み取っている。収穫した生アオサは、島内の直売所などで販売している。
 同地区でアオサ漁を約50年続けている井(いい)稔さん(86)は「ゴボウやニンジンとのかき揚げもいいが、生アオサはさっと湯通しして、酢じょうゆで食べるのが最高」と教えてくれた。

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