パドレスのキンブレル獲得から5年 トレードのその後は?

日本時間4月6日、パドレスがブレーブスとのトレードでクレイグ・キンブレルとメルビン・アップトンJr.を獲得してから5年が経過した。当時メジャー最高クラスのクローザーだったキンブレルは、パドレスに加入した2015年、61試合に登板して4勝2敗39セーブ、防御率2.58、奪三振率13.20をマーク。しかし、パドレスは上位争いに加わることはできず、キンブレルは1年限りでパドレスを去ることになった。トレード成立から5年が経過したこのタイミングで、このトレードを振り返ってみよう。

2014年シーズンに77勝85敗でナショナル・リーグ西部地区3位に終わったパドレスだが、同年8月にGMに就任したA.J.プレラーは、上位争いに加わることを目指して積極的な補強を展開。マット・ケンプ、ウィル・マイヤーズ、ジャスティン・アップトン、デレク・ノリス、ブランドン・マウアー、ウィル・ミドルブルックス、ブランドン・モロー、ジョシュ・ジョンソンなどを次々に獲得し、2015年2月には先発右腕のジェームス・シールズと4年7500万ドルの大型契約を結んだ。

そして、その大型補強のラストピースとなったのがキンブレルだった。プレラーは、キャメロン・メイビン、マット・ウィスラーなど4選手と2015年ドラフト全体41位の指名権を放出してブレーブスからキンブレルとメルビン・アップトンJr.を獲得。この大型補強の過程でマックス・フリード、ヤスマニ・グランダル、トレイ・ターナーら有望株を手放すことになったが、チームの将来を犠牲にしてでも勝負に出ることを選択した。

ところが、期待通りの働きを見せた選手はほとんどおらず、32勝33敗という低調なスタートを切ったところでバド・ブラック監督を解任。勝負モードから一転、再建に向けて舵を取り、翌2016年のトレード・デッドラインまでにケンプ、ジャスティン・アップトン、シールズ、キンブレルらが次々にチームを去った。これらの選手の対価としてローガン・アレン、マニュエル・マーゴ、フェルナンド・タティスJr.といった有望株を獲得しており、勝負モードへの転換が失敗に終わると即座にチームの立て直しに動いた点については一定の評価をされている。

ちなみに、ブレーブスはこのトレードで得た2015年ドラフト全体41位の指名権でオースティン・ライリーを獲得。メジャー最初の34試合で12本塁打を放つ鮮烈なデビューを飾ったのは記憶に新しいところである。もしパドレスがこの指名権を保持してライリーを指名していれば、マニー・マチャドがパドレスに加わることはなかったかもしれない。

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