古巣でキャリアを終えた名選手たち イチローも登場

メジャーリーグの世界では、自身を育ててくれたチームをトレードやフリーエージェントで退団したあと、キャリア晩年に古巣へ復帰するスター選手が数多くいる。昨年の日本開幕シリーズをもって現役を引退したイチローや、そのイチローが憧れたケン・グリフィーJr.もその一例である。メジャーリーグ公式サイトでは、デービッド・アドラーとマット・ケリーの2人が「古巣に戻ってキャリアを終えたスター選手」を特集。そのなかにはもちろん、イチローの名前も登場している。

今回の特集では「古巣でキャリアを終えた選手」のみが対象となっている。そのため、アスレチックスのリッキー・ヘンダーソンやカブスのグレッグ・マダックス、メッツのトム・シーバーなど、古巣復帰後に別のチームで現役を続行した選手は含まれていない。

特集記事で真っ先に登場するのがイチローだ。2001年にMVPと新人王を同時受賞したイチローは、2010年まで10年連続でシーズン200安打、オールスター・ゲーム選出、ゴールドグラブ賞を継続し、両リーグ最多安打を記録すること7度。メジャー1年目の2001年と史上最多のシーズン262安打を記録した2004年には首位打者のタイトルも獲得し、2012年途中にヤンキースへトレードされるまで、マリナーズを代表するスター選手として活躍した。その後、マーリンズでメジャー通算3000安打を達成し、2018年にマリナーズへ復帰。2019年3月に東京ドームで行われたアスレチックスとの開幕シリーズ2連戦が最後の舞台となり、日本のファンからの大歓声を浴びながらキャリアを終えた。

そのイチローの憧れの存在だったグリフィーJr.は、球史に残る美しいスイングで本塁打を量産し、マリナーズで過ごしたキャリア最初の11シーズンで4度の本塁打王を獲得。1997年にはMVPに選出された。2000年にレッズへ移籍し、ホワイトソックスを経て、2009年にマリナーズへ復帰。復帰初戦で本塁打を放ち、マリナーズでの通算400本塁打も達成した。翌2010年限りで現役を引退し、通算630本塁打は歴代7位の大記録となっている。

通算7度のサイ・ヤング賞を誇るロジャー・クレメンスも古巣に戻ってキャリアを終えた。1999年から5シーズンにわたってヤンキースでプレイし、2001年に自身6度目のサイ・ヤング賞を受賞したクレメンスは、2004年からの3シーズンはアストロズでプレイ。2007年に44歳でヤンキースに復帰し、18試合(うち17先発)に登板して6勝6敗、防御率4.18を記録したが、これがメジャーでのラストイヤーとなった。

記事中では、イチロー、グリフィーJr.、クレメンスを含めて10人のスター選手が紹介されており、この3人以外にはバリー・ジート(アスレチックス)、トム・グラビン(ブレーブス)、デニス・エカーズリー(レッドソックス)、ゲーリー・カーター(エクスポズ)、ドン・サットン(ドジャース)、レジー・ジャクソン(アスレチックス)、ミニー・ミニョソ(ホワイトソックス)が登場。このうち、ミニョソは1940年代から1980年代までプレイした「ファイブ・ディケード・プレイヤー」として知られている。

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