熊本県初の「新型コロナウイルス」関連破たん 仕出し弁当の「味春ランチ」が破産申請へ、低迷する売上げにコロナ

 (株)味春(TSR企業コード:910238065、法人番号:7330001004563、熊本市東区長嶺南6-7-61、設立1975(昭和50)年5月、資本金1000万円、森美代子社長)は3月31日までに事業を停止し、破産手続きを塩田直司弁護士(コスモス法律事務所、同市中央区京町本丁8-28、電話096-351-8585)に一任した。

 弁当・折詰の仕出し販売業者。「味春ランチ」の屋号で官公庁や事業所に昼食弁当を提供するほか、旅行業者が企画するツアーや企業イベント、ゴルフコンペ等の折詰弁当を提供し、2000年前後の年間売上高は約2億円を確保していた。しかし、市況低迷やコンビニ弁当へニーズのシフト、低価格弁当との競合から売上は低迷し、近年の年間売上高は約1億3000万円まで低下。赤字決算が散発したことで、資金繰りは逼迫していた。
 こうしたなか、「新型コロナウイルス」の影響により、イベント中止が相次ぎ、さらに販売量が落ち込んでいた。需要期である4月の花見シーズン、5月の大型連休の弁当予約のキャンセルも発生するなど今後の見通しも立たず、今回の措置となった。

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