【しずるインタビュー】尽きることないコントへの探究心…その源は何か?

しずるは年に2回、単独ライブを開催している。今年は作・演出を、池田一真(左)と村上純による交代制。終了した2月公演は村上だったため、7月16日から19日、東京・駅前劇場で開催するのは「Black Treatment~足りねぇ、まだ足りねぇよ~ 作・演出 池田一真 vol.1」だ。

さらに、今月22日から26日は、東京・赤坂RED/THEATERで上演されるメトロンズ(しずる&ライス&サルゴリラ&作家・演出家の中村元樹さん)の初舞台「副担任会議」に出演する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となった。(*HPから。本来であれば第2回公演の開催を予定しておりました、2021年4月21日(水)~25日(日)赤坂レッドシアターでの公演を「副担任会議」の開催とさせて頂くことにしようと考えております)

http://metronz.jp/

また、4月6日の18時から、ラジオコントの配信を開始する。その名の通り、映像を見なくても笑える「聞くだけ」のコントだ。

尽きることないコントへの探究心――。その源は何か。(interview 伊藤雅奈子)

――「メトロンズ」とはどういうものか、教えてください。

村上 ライスとサルゴリラは同期で、手前味噌ですけど、おもしろいと信じてやってるメンバー。中村さんも加えた7人で、ほかの芸人さんらがやってるユニットと似てるかもしれませんけど、演劇に近いことをやろうという試みで、改名して、新たなスタートを切ろうとしています。

池田 仲がいいから組んだというわけではないんですよ。ライバル視もしてますし、長らく認めあってもいるからこその挑戦といいますか。僕ら、年も年なんで(※池田は36歳)、お互いがここに賭けてみようかなというのもあるので、今回はいろんな人に観に来てほしいですね。

――ライスさんは「キングオブコント2016」の優勝コンビ。しずるさんは、その決勝ステージに立って敗れているので、いちばん近いライバルかと思うんですが。

村上 負けたくないっていう気持ちは、ほかの先輩・後輩に比べたらありますよね。「キングオブコント」のときは、シンプルに悔しかったですし。

池田 「噛まないかなぁ」って(思っていた)。

村上 一緒に決勝に行けたのはうれしかったですけど、優勝したらしたで、ふざけんなよ、そこまで行かなくても……って思いました。

池田 でも、ライバルと手を組むって、そうないと思うんですよ。僕はマンガでしか見たことがないので、それが大人になって挑戦的に組めるっていうのは、楽しみでもあります。

――おふたりは今でも定期的に単独ライブを行なっていますが、その原動力って何ですか?

村上 舞台上でコントをやって、お客さんに観てもらうというのが僕らの本文なので、ここがなければアイデンティティが損なわれる。ここが本筋なので、辞めたときは存在意義がなくなるような気がする。立ち止まる感じになっちゃうんで、自然にやり続けるもの……っていうイメージですね。

――次回公演は、池田さんの作・演出。まだ3カ月も先ですが、すでに準備に入っていますか?

池田 進めてます。僕はほっんとうに怖がりなんで、だいぶ前にネタを完成させて練習しないと、(セリフが)飛ぶんですよ。で、噛む。お客さんって、一生懸命働いて稼いだお金で観に来てくれるんで、それを加味して、だいぶ前から作るようにしてるんですけど。……向いてないんじゃないかと思いますもん、自分って芸人に。

村上 アハハハハ(笑)。

池田 (人の)舞台を観て、この人、飄々とやるなぁって思うことがあるんですけど、僕はすごい緊張するんで、もしかして無理して(芸人を)やってないか?って思うことがあります。

村上 それがね、本人が思うほど、緊張感は周りに伝わってないんですよ。緊張感は大・小あれど、誰でもしますからね。特に、単独ライブなんて新ネタオンリーなので、90分間すべり続ける可能性もはらんでいるわけですよ。どのエンタメ業界もそうかもしれないけど、われわれの場合はずーっとシーンとしてたら、どっからどう見ても大失敗。降水確率みたいに、事前に数字が出せないんです。気圧配置のような統計が取れてないなか、期待と不安があって、期待によって胸ふくらむ一方で、不安によって緊張するわけですから。そりゃ、混在しますよね。

池田 ヘンな話ですけど、通常のルミネ(theよしもとでの公演)だったら、確実にウケるネタを持っていくから、ラクなんです。でも単独は、言い方が悪いですけど、ほんとにありがたい変態の方たちが来てくれるので、その変態たちにいかにおもしろいと植えつけるか、なんですね。

――手塩にかけて育てたコントを今、YouTubeの公式チャンネルで公開しています。これは、無料で観てもらって、広めたいという意図があってのものですか?

村上 手段として、今まではテレビで観てもらうか、舞台でやったものをDVDで観てもらうかしかなかったけど、YouTubeができて、自分たちでプラットホームを発信していけば、1人でも多くの人に観てもらえるなぁって。そういう期待を込めて開設したら、コメント欄にも反映されてきました。簡単にいうと顧客拡大なんですけど、長い分数のネタが、意外と再生回数いったりするんで、そこはいまだにわからないです。

池田 動画を簡易的に探して、簡易的に観たいわりには、長いものを観るんだぁっていう。僕、ゲームをやるんですけど、ローディングっていう読みこむ時間が長いと、(ゲーマーから)叩かれるんですよ。昔の「バイオハザード」がそうで、扉が開いてからもぜんぜん進まねぇなぁって感じだったんですけど、それでもやっちゃうというのと似てるのか、長くても観るんですね。

村上 ただあげるのではなく、ネタを観てもらうためには何をしたらいいのかを考えるようにはしてますよ。ない頭を使って、ね。

「しずるの聞くだけコント」

毎週 月・木 曜日 18:00、しずるの YouTube チャンネル、Podcast など各サブスクリプションにて、新ネタ更新予定。

▼第1本目「ボーカル向いてるよ」 ※4/6(月)18:00 公開

https://youtu.be/fZDiC3ridXk

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