【特集】がん検診で早期発見(1)

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■大切なあなたに受けてほしい
日本では2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっています。
がんは様々な要因によって発症しますが、予防できる場合も多くあります。
家族やまわりの人のためにも、自分の健康や生活習慣に関心を持ち、継続的に健康づくりに取り組むことが大切です。
今回の特集では、がん予防のための生活習慣や、早期発見のための検診についてご紹介します。

◆がんによる死亡を防ぐには
・1次予防
がんにならないこと
・2次予防
早期発見・早期治療
この2つが大切です

[1次予防 がんにならないこと]
◇がんと生活習慣
国立がん研究センターが実施した調査によると、日本人では、男性のがんの53・3%、女性のがんの27・8%は、生活習慣やウイルス感染が原因でがんになったと考えられています。
日本人のためのがん予防研究の結果、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの生活習慣を実践することで、がんになるリスクが低下するといわれています。
この5つの生活習慣をすべて実践する人は、実践しないまたは1つだけ実践する人に比べて、がんになるリスクが男性で43%、女性で37%低くなるという結果が出ています。

◇今日からできるがんにならないための5つの心がけ
国立がん研究センター発行(2018年)
「科学的根拠に基づくがん予防」より

1、禁煙しよう
たばこを吸う人は吸わない人に比べて、がんになるリスクが約1.5倍高くなります。受動喫煙でも肺がんや乳がんのリスクは高くなります。禁煙には、保健センターのたばこ相談がおすすめです。
※詳細は、本紙に折込の「保健センター年間事業案内」をご覧ください。

2、節酒しよう
飲酒は食道がん・大腸がんと強い関連があり、女性では乳がんのリスクが高くなります。厚生労働省では節度ある適度な飲酒量を1日平均純アルコールで20g程度としています。これは、日本酒1合、ビール中ビン1本、7%のチューハイ350ml1本、ウィスキーダブル1杯に相当します。これを目安に節酒に努めましょう。

3、食生活を見なおそう
塩分のとりすぎ、野菜や果物をとらないこと、熱すぎる飲み物や食べ物をとることが、胃や食道がんの原因になります。バランスのよい食事を基本に、塩分摂取を控え、野菜と果物をたくさん食べ、熱いものは少し冷ましましょう。
※厚生労働省の「健康日本21」では、1日あたりに食べる野菜は350グラムを目標としています。果物もあわせると1日400グラム程度は必要です。

4、身体を動かそう
身体活動量が多い人は、糖尿病や循環器疾患だけでなく、がんや認知症などのリスクが低いとされています。厚生労働省の基準では、18歳~64歳は「歩行またはそれと同等以上の身体活動を毎日60分行うこと、それに加えて、息がはずみ、汗をかく程度の運動を毎週60分程度行うこと」、65歳以上の高齢者は「強度を問わず、身体活動を毎日40分行うこと」を推奨しています。

5、適正体重を維持しよう
肥満は糖尿病や脂質異常症、高血圧症などの生活習慣病をはじめ数多くの疾患のリスクになります。また、大腸がんや閉経後の乳がんも肥満がリスクを高めます。
健康のためには、適正体重を維持する(太りすぎず、痩せすぎない)ことが大切です。肥満度の判定にはBMIが使われ、男女とも標準BMIは22.0です。これは統計上、肥満と関連が強い糖尿病や脂質異常症、高血圧症に最もかかりにくい数値とされています。
※BMI(BodyMassIndex)=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}。
日本肥満学会の定めた基準では、18.5未満が「低体重」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」とされています。

◆がんサバイバーに聞く
『症状がなくても後回しにせず検診を』
市の検診をきっかけに肺がんが見つかり手術を2度経験され、現在は経過観察中のHさんにお話をお聞きしました。

私は、介護職員として長年働いた経験を生かし、現在は「介護サービス相談員」や「認知症パートナー」として、介護保険施設などでボランティア活動をしています。
7年前、保健センターで健康教室に参加した時、たまたま、がん検診のバスを見かけました。そこで、「退職してから何年もがん検診を受けていないなあ。久しぶりに受けてみよう」と思い立ち、肺がん検診を受けてみました。
元気で症状もなかったので、「異常なし」と思っていましたが、なんと「要精密検査」という判定結果が。びっくりして不安になりましたが、すぐに病院で精密検査を受けると、医師から「がんの疑いがあるので詳しい検査を」と言われ、その後、肺がんと診断されました。主治医には「初期の段階だから、今なら手術できる」と励ましてもらい、手術を決意。約2週間入院しました。
退院後は、定期的に経過をみていましたが、4年前に再び肺がんが見つかりました。主治医からは「他の臓器への転移はない。今回も手術できる」と言われ、再び手術を受けました。
現在も、半年に一度のペースで通院し、経過観察しています。

▽Hさんのメッセージ
私の場合は、数年ぶりに検診を受けたことがきっかけで、初期の肺がんを見つかりました。あの時検診を受けていなかったら…と思うと、みなさんにも検診の大切さを知ってほしいなと思います。症状があればすぐに病院を受診することと、症状がない場合も元気だから、忙しいからといって後回しにせず、自分自身と大切な人のためにがん検診を受けてください。