緊急事態宣言が出ても、選挙はあります!(延期の可能性もあり!)

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、政府は、7日(火)午後7時をめどに安倍総理大臣が総理大臣官邸で記者会見を行うと発表しました。新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」について、説明するものと見られます。

このような状況ですが、12日(日)には新潟県佐渡市長選や、埼玉県坂戸市長選など、注目の地方選挙も多く実施されます。緊急事態宣言が出されたら、選挙はどうなるのでしょうか?

1、緊急事態宣言で外出禁止に?

特措法に基づき「緊急事態宣言」が出されると、都道府県知事が外出やイベント開催に関する自粛の要請や指示を出すことができるようになります。ただし、フランスなどのように強制力はなく、罰金などは科されません。

強制力があるのは、臨時の医療施設を設置するために必要な場合。拒否する正当な理由がなければ、土地や建物を所有者の同意を得ないで使用することができます。

その時の状況によって、専門家による諮問会議が緊急事態宣言の発令要件を満たしているとの判断を政府に提言し、首相が地域と期間を指定して宣言を出します。

2、選挙は延期にならないの?

公職選挙法第57条第1項では、天災や事故を理由に投票ができないときに投票日を先に延ばす「繰延投票(くりのべとうひょう)」という仕組みが定められています。

【公職選挙法第57条第1項】

天災その他避けることのできない事故により、投票所において、投票を行うことができないとき、又は更に投票を行う必要があるときは、都道府県の選挙管理委員会(市町村の議会の議員又は長の選挙については、市町村の選挙管理委員会)は、更に期日を定めて投票を行わせなければならない。この場合において、当該選挙管理委員会は、直ちにその旨を告示するとともに、更に定めた期日を少なくとも二日前に告示しなければならない。

 

この条文で定められているとおり、災害などが発生して予定していた投票日に投票ができない、あるいはさらに別の日に投票を行う必要があると、その自治体の選挙管理委員会が判断すると、投票日を予定より後の日に設定することができるとされています。

過去には2012年8月に台風の影響で鹿児島県和泊町、知名町、与論町の議会選挙と沖縄県竹富町長選挙の投票日が1週間延期された事例や、2014年10月に台風の影響で沖縄県豊見城市長選挙の投票日が1週間延期されたことがあります。

また、阪神淡路大震災や東日本大震災のときには、例外的に臨時特例法によって延期がなされていました。

災害と選挙の延期について、詳しくはこちらの記事をご覧ください↓
君津市議選|災害の後でも選挙の延期は難しい?|公選法の規定は?選管の判断は?【千葉県】

3、緊急事態宣言が出ても、現時点では選挙は行います!

坂戸市、富津市など、12日(日)以降に投開票が行われる一部の選挙管理委員会に電話取材したところ、選挙は通常通り行われるとのことでした。

各選管では、アルコール消毒スプレーや使い捨ての筆記用具の設置などの対策を行っており、「筆記用具を持参するなど協力をお願いします」と呼びかけています。

また、26日(日)に投開票が予定されている衆議院議員選挙・静岡4区補選についても予定通りの日程で実施予定とのことです。静岡県選挙管理委員会に電話取材したところ、「東日本大震災の時のように、国で判断して変更になる可能性もないとはいえないが、決まるまでは粛々と準備するしかない」と話し、投票所での感染防止対策などの準備に取り組んでいるとのことでした。

4、じっくりと投票先を選べるチャンス!

以上のように、緊急事態宣言が出ても選挙は予定通り行われます。各選管でも感染防止策に取り組んでいますので、有権者のみなさんは、各自できる対策をした上で、投票にいきましょう!

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