ウェブ会議システム 長崎県内企業に無償提供 コロナ禍に対処 ディーエスブランドが開発 6月末まで

複数の相手の顔や文章を見ながら話せるウェブ会議システム「おりこうオンライン」の画面(ディーエスブランド提供)

 ITサービス業のディーエスブランド(長崎市)は、相手にID番号を伝えるだけで始められるウェブ会議システムを開発・発売した。新型コロナウイルスの感染拡大で企業の営業活動や社員の出勤に制約が広がる中、普及が期待されているテレワークやウェブ接客に有効。同社は社会貢献として6月末まで、県内企業に無償提供する。
 新システム「おりこうオンライン」は専用の機器やソフト・アプリが要らず、ウェブに接続できるパソコンやスマートフォンがあれば使える。自社ホームページ(HP)上にバナーを設置し、そこから入室した相手にID番号を発行。相手が番号を入力すれば接続完了、画像と音声でコミュニケーションできる。電話番号やメールアドレス、アカウント(利用する権利)は不要だ。同時に最大10端末とつながる。
 画面上では相手や参加者全員の顔を見て話しながら、動画や画像の資料を一緒に見たり、チャットで文章や添付資料を送ったりできる。接続中に録画すれば議事録にもなる。会議や研修、商談、採用面接などで遠隔地から相手を呼ぶ、または自ら出向くコストや移動時間をカットできる。
 同社は当初、全国にいる営業社員の通信手段として開発し3月に導入、4月に発売した。折しも新型コロナ流行で、多くの企業が外回り営業を自粛したり、社員の在宅勤務を検討したりと対応を迫られているため、3カ月間は無料で使えるようにした。同社の野口剛サポート本部長は「県内企業がこの危機を乗り越えるお手伝いができればうれしい。感染収束後は事業の柱にしたい」と話している。
 同社は2005年、下山大祐社長が創業。主にHPシステムの開発やサポートを展開。従業員数233人。19年度売上高約20億円。
 問い合わせは販売元のリコージャパン長崎支社(電095.843.9100)またはディーエスブランド(電050.3802.4848)。

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