コロナの診断・検査に特化 長崎県内3ヵ所に感染症外来設置

長崎県庁

 長崎県は6日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、診断・検査に特化した「感染症外来」を県内3カ所に早期に設置することを決めた。今後感染がまん延した場合、「帰国者・接触者外来」のある医療機関に患者が殺到して重症者の治療に支障がでないようにする狙い。また壱岐市内では6人の感染が確認されており、8日に新学期を開始する予定だった市内の県立3学校は19日まで臨時休校とする。
 県によると、現在は発熱やせきなどの症状がある人は帰国者・接触者外来で対応。感染まん延期には外来の増加が見込まれ、新たに設置する感染症外来で、迅速検査機器を使い感染の有無を調べる。当面、県本土を3地区に分けて1カ所ずつ設置し、いずれ県内8カ所の2次医療圏ごとに置くことも検討する。設置場所、受診予約や陽性判明者の病院搬送などの方法は今後詰める。
 壱岐市内の指定医療機関は感染者用の病床を10床確保しているが、既に4床が埋まっている。今後は同機関では主に重症、中等症の患者に対応し、重症化の恐れがある場合はできるだけ本土の医療機関に自衛隊ヘリなどで搬送。軽症者は宿泊施設で療養できるよう準備を進めているという。検査態勢強化のため指定医療機関にある迅速検査機器も1台から2台に増やす。クラスター(感染者の集団)の発生回避のため感染症の専門医が6日から対応に当たっている。
 5日に感染が確認された同市内の無職70代女性は、4日に感染が判明した介護職60代女性が所属する事業所の通所介護サービスを利用していたが、関連をさらに調査する。また60代女性ら3人の感染者の濃厚接触者計16人はいずれもPCR検査で陰性だったという。
 会議後に記者会見した中村法道知事は「いつ自分が感染してもおかしくないと認識し、他の人にうつさない気持ちで手洗い、せきエチケットなどに取り組んでほしい。感染者やその家族の人権やプライバシーには十分配慮してほしい」と県民に呼びかけた。

 


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