「ないなら自分たちで」 介護施設で高齢者らがマスク作り

マスク作りに励む利用者=伊勢原市小稲葉

 伊勢原市内の通所介護施設の利用者らが、マスク作りに励んでいる。マスク不足が深刻なことを知った女性利用者(94)が作り方を家族から教わり、職員に紹介。機能訓練や生きがいにつながると、施設がデイサービスのプログラムに加えた。今後、地域に住むお年寄りらに配る予定。

 ガーゼや洗えるキッチンペーパーを活用し、マスクを手作りしているのは、通所介護施設「天使の手」(同市小稲葉)の利用者や職員。6日は14人がガーゼを縫ったり、両端にゴムひもを通したりする作業に取り組んだ。

 マスク作りのきっかけを担った女性利用者は「針仕事には慣れていて、自分で作ると楽しい」とうれしそうに語り、「地域の役に立っていると聞くと良かったなと思う」と喜んだ。

 施設は3月20日ごろから作業を始め、200枚を仕上げた。150枚は利用者と職員で使い、残りの50枚を地域住民らに配布。地元の1人暮らしのお年寄りに配るため、さらに300枚を作る予定だ。

 施設代表の麻生美智子さん(74)は「新型コロナウイルスに負けず、マスクがないなら自分たちで地域に供給したい」と意気込んでいる。マスクに関する問い合わせは、天使の手電話0463(93)0600。

© 株式会社神奈川新聞社