「ミスター・タイガー」ケーラインが85歳で死去

日本時間4月7日、タイガース一筋22年のキャリアで通算3007安打を放ち、1980年にアメリカ野球殿堂入りを果たした名外野手、アル・ケーラインが85歳で亡くなった。1955年に史上最年少の20歳で首位打者となり、オールスター・ゲーム選出18度、ゴールドグラブ賞10度の実績を誇るケーラインは、プロ16年目の1968年にワールドシリーズ制覇を経験。背番号「6」はタイガースの永久欠番となり、「ミスター・タイガー」として多くのファンに愛された。

ケーラインは高校卒業後、マイナーを経由せずに18歳でメジャーデビュー。プロ3年目の1955年には両リーグ最多の200安打を放ち、.340の高打率で史上最年少での首位打者に輝いた。その後もコンスタントに数字を積み重ね、メジャー22年間で通算2834試合に出場して3007安打、打率.297、498二塁打、399本塁打、1582打点、137盗塁、OPS.855をマーク。出場試合数や本塁打数はタイ・カッブやハンク・グリーンバーグといった名選手を上回る球団史上最多の数字となっている。

カッブはキャリア最後の2年をフィラデルフィア・アスレチックスで過ごしたが、ケーラインは22年間タイガース一筋。1977年から20年間タイガース一筋でプレイしたアラン・トラメルが登場するまで、20年以上のキャリアをタイガース一筋で過ごした選手はケーラインだけだった。ケーラインは1986年に「タイガース一筋のキャリアを過ごせたことを誇りに思っている。ガムの付録のカードの裏に1球団だけ書いてあるのは見栄えがいいよね」と話していた。

現役引退後はテレビ解説者や特別顧問としてチームに携わり、タイガースの一員として過ごした期間はなんと67年にも及ぶ。先月もスプリング・トレーニングの施設に姿を見せ、現役選手のジェームス・マッキャンやジョーディ・マーサーなどはケーラインとのツーショットをSNSに投稿して「ミスター・タイガー」の死を悼んだ。

ちなみに、通算3000安打以上でゴールドグラブ賞を10度以上受賞した選手は、メジャー史上でロベルト・クレメンテ、ウィリー・メイズ、イチロー、そしてケーラインのわずか4人だけである。

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