石木ダム差し止め訴訟 反対住民らが控訴 福岡高裁

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、水没地区の反対住民が県と同市に工事差し止めを求めた訴訟で、住民らは原告側の請求を棄却した長崎地裁佐世保支部の判決を不服として福岡高裁に4日付で控訴した。
 住民側は、ダムの必要性の根拠となる同市の水需要予測や川棚川の治水計画の問題点を指摘し、「必要性のない事業で、住民の生命、身体の安全や平穏に暮らす権利が侵害されている」などと主張。3月24日の同支部判決は、住民側が主張する権利は「抽象的で不明確」などとして訴えを退けた。利水、治水面でのダムの必要性などについては判断を示さなかった。

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