JR東日本、ホームドア設置や踏切整備の進捗状況を公表 2019年度中にここまで進んだ

山手線30駅のホームドア整備率とホームにおける鉄道人身障害事故件数の推移

JR東日本は2020年4月7日(火)、より安全な駅ホーム・踏切の実現に向けた取り組みについて、2019年度までの結果概要を公表しました。

ホームドアは48駅で整備完了

同社は2019年度末までに山手線、京浜東北・根岸線を中心に48駅のホームドア整備を完了(線区単位では57駅。たとえば有楽町線は山手線と京浜東北線で2駅)しました。2018年度末には36駅(線区単位41駅)でしたので、1年で12駅(線区単位16駅)の整備が完了したことになります。

2020年2月には京浜東北線蕨駅で初めて「スマートホームドア」を積極的に導入。簡素化・軽量化により設置工期を最大で40%ほど短縮できるホームドアの導入により、整備の早期展開を目指しています。

スマートホームドアと従来型のホームドアの性能比較
今後のホームドア整備計画

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ホームドアのほかにも線上の突起を設けてホームの内外がわかるようにした「内方線付き点状ブロック」や利用者に注意を促す目的でホーム端部を着色した「CPライン」の整備、モニタについても駅社員や車掌が視認しやすい「高解像度ITV」への置き換えを進めています。

内方線付き点状ブロックは2018年度末時点で乗降人員が1万人以上10万人未満/日の駅への整備が完了していましたが、2019年度中に乗降人員が3千人以上1万人未満/日の195駅中151駅の整備が完了、残る44駅も2020年度中に整備を終える予定です。

CPラインは2019年度末時点で107駅331番線に整備完了。2020年度末までに累計111駅370番線の整備を計画しています。高解像度ITVへの置き換えは2019年度末時点で128駅253箇所。こちらは2020年度も引き続き整備を続けていきます。

また車両とホームの段差・すき間を縮小するための「くし状部材」についても、山手線、京浜東北線、中央・総武線各駅停車の一部駅のホーム先端(各ホーム2箇所)を対象に2020年7月までに32駅に設置予定です。

踏切では障害物検知装置の高機能版を整備

踏切事故対策の基本は踏切をなくすことですが、廃止が困難な第3種・第4種踏切に関しては第1種化に取り組んでいます。

その他にも、踏切内に立ち往生した自動車等を検知して列車に知らせる障害物検知装置のうち、レーザーレーダにより踏切全体を検知する「3次元レーザーレーダ式障害物検知装置」を2019年度末時点で約830踏切に整備。従来の機能に加え、新たに開発した転倒した人などの検知性能を上げる機能(転倒検知)と、降雨・降雪などの誤検知を削減する機能(ノイズ除去)を備えた高機能版を2019年度から導入し、順次拡大しています。

高機能版3次元レーザレーダ障害物検知装置の展開

こうしたハード面への設備投資のみならず、2019年度は他の鉄道事業者と共同で「かけこみ乗車防止キャンペーン」や「踏切事故0(ゼロ)運動」を実施。鉄道事故防止キャンペーンは今後も継続し、車両モニタでの動画放映やテレビ・ラジオCM放映などを予定しています。

鉄道チャンネル編集部
画像:JR東日本

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