【新型コロナ】マスク不足、リサイクルの布で解決 「本当に必要な人に」

マスクを寄贈した同法人理事長の高井さん(中央)ら(市提供)

 新型コロナウイルス対策でマスク不足が課題となる中、不要品のリサイクルや環境保全の啓発などに取り組む神奈川県鎌倉市のNPO法人の女性たちが500枚のマスクを手作りし、市に寄贈した。市民から寄付された布やひもなどを再利用したメンバーらは「マスクが足りず困っている人の力になれたら」と願っている。

 マスクを手作りしたのはNPO法人「鎌倉リサイクル推進会議」の女性7人。同法人は笛田リサイクルセンター(同市笛田1丁目)を拠点に、使わなくなった衣類をリメークする教室や、古着や古本の販売イベント、ごみ減量の学習会などを開いている。

 コロナ禍に終息は見えない状況で、60~70代が中心のメンバーが「何か自分たちにできることはないか」と考え、同法人に市民から寄付されている布やひもを活用してマスクを手作りすることにしたという。

 布は各自で持ち帰って洗濯し、自宅で作業。「温かい季節でも利用しやすいように」と薄手の布を選び、伸縮性のTシャツを切ってひも状にしてゴム代わりにする工夫も施した。無料通信アプリでグループを作成。ひもを通すこつなど、作業のポイントを教え合った。

 7日に市役所であった贈呈式では、完成した200枚を松尾崇市長に手渡し、残り300枚も手作りして追加で郵送するという。理事長の高井幸恵さんは「どうしても外出しなければならない人や、人と接する仕事に就く人など、マスクを本当に必要としている人の元に届いてほしい」と話した。

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