緊急事態宣言で「需要減る」「商談停滞」 大分県内の企業が懸念【大分県】

新型コロナ

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福岡に向けて出発する高速バス=7日午後、大分市中心部

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が7日に発令した緊急事態宣言の対象地域に福岡県が含まれた。大分県とは人の往来や物流面で経済的な結び付きが強いだけに、地場企業からはサービスの需要減に拍車が掛かったり商談が停滞する事態を懸念する声が相次いだ。

 大分交通(大分市)が大分―福岡間で運行する高速バスは、新型コロナの影響で3月の乗客数が前年同月比で5割以上落ち込んだ。4月1日から平日の32便、土日・祝日の36便を各8便減らした。乗合課は「政府の宣言で人の動きはさらに減るだろう」と警戒する。

 大分バス(同)も同じ区間の高速バスを1日から減便。「これ以上利用者が減れば、さらなる減便も検討せざるを得なくなる」(乗合課)と厳しい見通しを示した。

 ホテルチェーンのアメイズ(同)にとって福岡県は重要なマーケット。計78店のうち23店を展開する。観光でなくビジネス需要がメインのため感染拡大後も粘り強くしのいできたが、「ビジネス客にまで響いてこないか心配だ」(総務部)。

 石油卸・小売りの東九州石油(同)はガソリンスタンドを県内に19店、宮崎県内に5店展開する。同社は「福岡から営業に訪れる法人、レジャーで来る個人ともに減り、大分、宮崎の店頭消費は落ちるだろう」と予測する。

 福岡県内に建築現場がある大分市の建設会社は作業員確保を課題に挙げた。「ただでさえ人手不足。テレワーク(在宅勤務)の機運が高まっており、現場に人を集めにくくなるのでは」

 自動車用サスペンション製造のヨロズ大分(中津市)は、サプライチェーン(供給網)の混乱などにより主要取引先の日産自動車九州工場(福岡県)がたびたび休止。打撃を受けている。宣言でどんな影響が出るかはっきりしないものの、「操業の度合いを落とすか考えている」(同社)という。

 県内有数の木材産地・日田市にとり、福岡県内の企業は最大の商談相手。日田木材協同組合によると、同県が外出自粛を要請して以降、商談を控えざるを得ない状態が続いている。

 同組合の小関明生参事は「相手の要望を詳しく聞いて製材品を造るため、メールでのやりとりに代えるのは難しい。宣言でさらなる停滞を招くのではないか」と危ぶんだ。