海中転落女性を救助 中山吾一さん、隼人さん 五島海保が感謝状

川崎署長から感謝状を受ける中山吾一さん(中央)と隼人さん(左)=五島海上保安署

 五島海上保安署(川崎健署長)は6日、岸壁から海に転落した50代女性を救助した五島市福江町の漁業、中山吾一さん(49)と、おいの隼人さん(18)に感謝状を贈った。
 2人や同署によると、女性は3月8日午前4時40分ごろ、同町の岸壁で漁船の係留ロープを片付けていたところ、誤って海に転落。女性は泳げず、自力で岸壁に上がれなかったため、近くにあったロープをつかんで海に浮かんでいた。
 当日は風が強く、出漁するかどうか判断するため岸壁で待機していた中山さんは、暗闇の中で何かが「ドボン」と海に落下する音を聞き、隼人さんと2人で駆け付けた。海中の女性を発見すると、速やかに小型船に乗り込み、2人で女性を抱え上げて救助。女性は右脇を打撲していたが命に別条はなく、2人で自宅に送り届けたという。
 中山さんは漁師歴34年のベテランで、3年前に漁師になった隼人さんと共に、はえ縄漁を営んでいる。中山さんは「救助したのは当然のこと。自分たちが偶然居合わせたのは、女性に命の縁があったということだと思う」、隼人さんは「無事に助かり、すがすがしい気持ち」とそれぞれ女性の無事を喜んだ。

 


© 株式会社長崎新聞社