いのちの電話 相談員が不足 養成講座へ参加呼び掛け 新型コロナで経済的不安も拡大

 自殺予防を目的に、電話相談を受け付けている社会福祉法人「長崎いのちの電話」(中根允文理事長)のボランティア不足が深刻化している。2004年に最多118人いたボランティアが昨年は82人まで減少。他の相談機関の設置に伴い、いのちの電話への相談は減少傾向にあるものの、依然として年間1万件を超えている。
 同事務局は「150人は確保したい」とし、6月からのボランティア養成講座への参加を呼び掛けている。
 いのちの電話は1994年から活動を開始。毎日午前9時から午後10時まで相談を受け付け、毎月10日、第1、3土曜は24時間で対応している。昨年の相談件数は1万803件で、自殺志向の相談が占める割合は全体の約8%。
 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、「4月から仕事をしようと思っていたのに外にも出られない」という相談も寄せられており、同事務局は「今後は経済的な不安の相談も増えるのではないか」とみている。
 ボランティアの対象は22~68歳の男女。養成講座は座学中心の前期(6月6日~9月19日)と、実習主体の後期(10月~来年9月)があり、前期の受講料は8千円。5月31日までに所定の用紙で申し込む。問い合わせは事務局(電095.843.4410)。

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