過小評価の殿堂入り選手 死去したケーラインも選出

日本時間4月8日、メジャーリーグ公式サイトのアンソニー・カストロビンスは「過小評価されている殿堂入り選手」から選抜チームを作る特集記事を公開した。そのなかには、昨日85歳で亡くなったばかりのアル・ケーラインの名前も含まれている。なお、指名打者と救援投手は殿堂入り選手の数自体が少ないため、今回の企画では対象外となっている。

タイガース一筋22年のキャリアを過ごし、「ミスター・タイガー」として知られるケーラインは、投票対象となった初年度の1980年に得票率88.3%で殿堂入りを果たしているものの、ほぼ同年代に活躍したウィリー・メイズやミッキー・マントルと比べると地味な選手だった。カストロビンスは「ケーラインが亡くなったことにより、我々は彼の驚異的なキャリアを正しく評価する機会を得た」と述べている。

ケーラインに地味な印象があるのは、ヤンキースのような華やかな球団ではなくタイガースでプレイしていたことや、MVPを1度も受賞していないことなどが原因だろう。MVP投票では3位以内に3度ランクインしたことがあるものの、そのときケーラインより上の順位にいたのは全てヤンキースの選手だった(1955年はヨギ・ベラ、1956年はマントルとベラ、1963年はエルストン・ハワード)。

とはいえ、ケーラインは史上最年少首位打者に輝いた20歳のシーズン(1955年)から現役引退まで20年連続で2ケタ本塁打を継続するなど、毎年コンスタントに数字を積み重ね、打率が.272を下回ったのもデビューイヤーの1953年とキャリア最後の2年だけ。通算WAR92.8(Baseball-Reference版)はケン・グリフィーJr.やウェイド・ボッグス、ジョージ・ブレット、チッパー・ジョーンズ、ジョー・ディマジオといったスター選手たちを上回っている。

通算3007安打、399本塁打、オールスター・ゲーム選出18度、ゴールドグラブ賞10度、1968年ワールドシリーズ制覇という輝かしいキャリアを過ごしながらも、同年代に活躍したスター選手の陰に隠れて語られることが少ないことを踏まえ、カストロビンスは「過小評価されている殿堂入り選手」の選抜チームの右翼手部門にケーラインを選出している。

なお、カストロビンスが選出した選抜チームの顔ぶれは以下のようになっている。

先発投手:バート・ブライレブン(通算WAR94.5)
捕手:ゲーリー・カーター(同70.1)
一塁手:ジョニー・マイズ(同71.3)
二塁手:ジャッキー・ロビンソン(同61.7)
三塁手:エディ・マシューズ(同96.2)
遊撃手:アーキー・ボーン(同78.0)
左翼手:ティム・レインズ(同69.4)
中堅手:ラリー・ドビー(同49.3)
右翼手:アル・ケーライン(同92.8)
※ロビンソンはメジャー初、ドビーはア・リーグ初の黒人選手

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