<社説>新型コロナ県内拡大 あらゆる対策で命を守れ

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 県内で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大している。感染が確認された人は6日の6人から7日は12人と倍増した。8日も5人が確認されている。沖縄県内での感染者はスペインからの帰国時に成田空港で判明した1人を含めて40人になった。 極めて深刻な状況になりつつある。手をこまぬいていては感染爆発が起こりかねない。国や県はまん延防止のため、先手先手で対策を講じるべきだ。

 玉城デニー知事は8日、県外からの来県自粛や県民の外出、県外への不要不急の渡航自粛を求める方針を発表した。県の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議から提言があったのは5日だった。速やかに対応すべきだ。

 安倍晋三首相は7日、緊急事態を宣言し、人と人との接触機会を7~8割減らすよう求めた。もっと早く呼び掛けた方が良かった。沖縄でも人と接触する機会をできるだけ控えた方がいい。密閉空間、密集場所、密接会話の「3密」を避けることだ。

 1日の感染者が10人を超えるようになった今、対策が遅れれば、米国や欧州諸国の二の舞いになりかねない。イタリアは1月30日に初めて症例が見つかったが、経済への影響を恐れて対策が遅れた。爆発的に感染が広がり、実質的な医療崩壊が起きた。これまでの感染者は13万人を超え、死者は1万6千人を上回る。

 経済への影響と感染防止対策をてんびんにかけ、判断が遅れると人々の命と健康を危険にさらすことになる。

 世界保健機関(WHO)の研究によると、症状が出ていない患者からの感染例は少なく、主に発熱やせきなどの症状を示した患者から他人に感染しているという。軽症の人が、無自覚に感染を拡大させている可能性が大きい。

 沖縄県に早急な対応が求められるのは感染者の急増に備えた病床の確保と検査態勢の確立だ。県内の指定医療機関の感染症病床数は計24床で、県は協力医療機関と合わせて40床は確保できるとの見通しを示している。

 政府は2日付で、療養のためのホテル利用などを検討するよう都道府県に通知した。県は軽症者や症状のない感染者が療養するホテルなどの調査に入ったが、1週間近くたっても動きが見えない。

 受け入れるホテルが決まっても、常駐する医師や看護師らスタッフの確保、ホテル従業員の感染防止対策、研修など、準備には時間を要するだろう。早急に療養所となるホテルを確定させ、受け入れ準備に取り掛かるべきだ。事態が急激に悪化すれば、患者が行き場を失う恐れさえある。

 政府は感染の有無を調べるPCR検査の拡充を急ぐべきだ。検査対象を絞り込んでいる今のやり方では、どれくらい流行しているのか、実態をつかむことができない。国や県は命を守るため、ありとあらゆる対策を講じるべきだ。