景気「回復」5年ぶり削除 日銀福島支店 新型コロナ影響

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新型コロナウイルス感染拡大による県内経済への影響を説明する中山支店長

 日銀福島支店は八日、三月の県内景気について「新型コロナウイルス感染症の影響を主因に、このところ弱い動きとなっている」との県金融経済概況を発表した。昨年十月分以来、五カ月ぶりの判断引き下げとなる。総括判断に「回復」の表現がなくなったのは二〇一五(平成二十七)二月分以来、五年一カ月ぶり。

 鉱工業生産は、昨年の台風19号などからの操業再開や挽回生産の動きがあり、全体的に高水準を維持しているものの、海外経済減速の影響で自動車関連や産業用機械を中心に減産の動きがみられる。自動車関連産業など一部には感染拡大による経済活動縮小の動きが出ている。

 個人消費は外食や旅行への支出が大幅に減少している。雇用・所得は人員の不足感が続いているものの、新型コロナの影響などから改善のペースは緩やかになっている。

 記者会見した中山興支店長は先行きについて「東日本大震災からの復興需要のピークアウトに加え、新型コロナの影響でさらなる下押しに注意が必要」と警戒感を示した。

■宿泊減影響188億円 2~4月

 福島支店は、県旅館ホテル生活衛生同業組合が三月に発表した二~四月の三カ月分の宿泊キャンセルに関する調査結果を基に、関連業種を含めて計百八十八億円のマイナス影響が出るとの試算も公表した。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、同組合は加盟の旅館やホテルで二月から四月までの三カ月間で約七万七千泊分、約二十九億円の影響が出るとの結果をまとめた。

 これを踏まえ、宿泊代をはじめ土産購入など直接的な影響が百二十億円、土産などの販売不振による製造業者らへの影響が三十九億円と試算した。さらに、こうした業種で働く人の賃金が減少し、消費支出が落ち込むことによる影響を二十九億円とした。日帰り客も減少した場合、総合効果はマイナス三百十四億円に上るとの試算も示した。

 福島支店によると、百八十八億円の減収により、福島県分の国内総生産(GDP)は0.9%押し下がることになる。事態が長引けば影響はさらに広がると見込まれる。中山支店長は「宿泊、飲食サービスの不振は福島の経済に相当大きなダメージを与える。影響を注視する」とした。