早期再開目指す自動車大手、工場従業員の安全策整備を加速

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[ミラノ/デトロイト 8日 ロイター] - 世界の自動車大手は、新型コロナウイルス感染拡大が経営を直撃するなか、流行が始まった中国・武漢市や急速に感染が広がるイタリア、さらには自動車産業が集まる米ミシガン州に至る各地で、工場を再開する取り組みを加速させている。

再開にあたり、メーカーは中国の工場や米国で最近始めた人工呼吸器生産のために導入された従業員の安全確保策を広く適用しているが、メーカーによって多少の対応の違いもみられている。

伊高級スポーツカーメーカー、フェラーリは8日、新型コロナ検査を希望する従業員には血液検査を提供すると明らかにした。

一方、米ゼネラル・モーターズ(GM)の職場安全策担当責任者、ジム・グリン氏は8日、ロイターに対し、同社は血液検査が有効だという確信は得ていないと説明。ただ、米アマゾン・ドット・コムが実施している倉庫の従業員に対する体温測定などの安全策を導入していると述べた。

自動車および自動車部品メーカーは総じて、従業員の体温測定や日々の健康調査、従業員間の距離を1─2メートルに保つための生産ラインの再設計、従業員のマスクと手袋の着用によって、大規模な工場でも安全な操業が可能になると考えているようだ。

GMの製造責任者、ジェラルド・ジョンソン氏はロイターのインタビューで「人々の安全を確保するための方策は把握している」と強調。同社は中国の自動車工場を再開し、韓国の工場は操業を継続してきたと語った。

GMは米国の組み立て工場をいつ再開するか明らかにしていない。一方、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA) 、ホンダ<7267.T>、トヨタ自動車<7203.T>は米国の工場について、5月第1週の再開を目指している。

<労組が鍵に>

欧州事業に関して大手各社は、4月半ばから下旬にかけて生産を再開する意向を示している。

FCAのイタリアの労組は8日、同国政府が4月13日を期限としている全土の封鎖措置を緩和し次第、生産を再開できるよう、国内工場の安全策強化について会社側と協議していると明らかにした。

同社は労組に対し、従業員の食事時間をシフト終了後に変更し、給与を減らすことなく退社時間の30分繰り上げを認めるなどの提案をしているという。

米国では非労組系メーカーの一部が来週にも生産を再開する意向を示している。ブリヂストン<5108.T>は8日、13日に米国工場を再開すると発表した。

ただ、トランプ米政権は国民が社会的距離を保つための行動指針を4月30日まで適用すると表明している。

米自動車ビッグスリーに関しては、国内工場再開の時期や手続きを決めるのに全米自動車労組(UAW)が鍵を握る。

UAWのロリー・ギャンブル委員長は8日の発表文で、ビッグスリーと、UAWに所属する全従業員とその家族、米国民を守る目的で、米疾病対策センター(CDC)の安全基準を適用し、あらゆる技術を動員する方向で今後について徹底的に協議していると述べた。

UAWはGMとフォード・モーターが米工場で人工呼吸器の生産を始めるのを後押ししてきた。呼吸器生産によって各社は、小さい生産規模で従業員の安全確保策を試験的に運用することが可能になっている。