最大14メートル超浸水も 早川水系で最大級の洪水予測 台風19号を上回る雨量で試算

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早川水系最大規模の洪水想定図

 神奈川県箱根町と小田原市を流れる2級河川、早川を中心とした早川水系(芦ノ湖、須雲川を含む)で想定される最大級の洪水予測図が、県から公表された。早川と芦ノ湖が氾濫した昨年10月の台風19号時を上回る雨量で影響を試算しており、上流部は最大で14メートル超の浸水が見込まれた。氾濫時の水流などで家屋倒壊の恐れがある地域もあり、県は迅速な避難に役立てるよう促している。

 最大級の浸水予測図の公表は2015年に改正された水防法に基づくもので、多摩川、鶴見川、相模川の県内1級水系は既に国と県から公表済み。現在は、県が2級を中心とした管理河川について順次、想定をまとめており、早川は結果的に台風19号の後になった。

 箱根町内では台風19号の際、全国最多となる24時間942.5ミリの雨を記録。早川流域は平均で755ミリ降ったが、今回の浸水予測はこれを上回る870ミリで影響を試算した。

 その結果、浸水範囲は箱根、小田原の両市町で3.1平方キロに及び、浸水深(浸水時の深さ)は箱根町仙石原のイタリ池付近で14.6メートルに達した。県は「浸水深が際立って深いのは、局所的に地形が低くなっている地点。仙石原周辺では、おおむね5メートル前後の浸水が見込まれている」と説明。浸水が24時間以上解消しない恐れがある地域も点在している。

 その他の主な地点では、国道1号の箱根登山鉄道箱根湯本駅前(箱根町)が2メートル、国道135号の新早川橋交差点(小田原市)では2.1メートルの浸水が見込まれた。芦ノ湖沿岸でも氾濫の影響が予想されている。

 また、仙石原や宮城野、湯本、入生田、風祭など両市町の各地に、氾濫時の水流や浸食で家屋倒壊の危険性がある区域が示された。

 県は「浸水が深い地域は2階への『垂直避難』では危険で、避難所などへ向かう『水平避難』が必要になる」と指摘。ウェブサイトで予測図を公表し、避難先や避難経路の検討などに生かすよう呼び掛けている。