家族がずっと家にいるということは……煮詰まらないためにできること

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すでに外出制限されて数週間経ったドイツでの経験を踏まえ、「一家で家にいることになった際の配慮すべき点」をお伝えしていきます。

在宅時間が増えるこれからの時期、どう過ごす?

緊急事態宣言が発令され、日々の暮らしがどのように制限されていくのか、不安を感じている方も多いと思います。そこで、行動に制限が出て3週間ほど経つドイツの日々を踏まえた「一家で家にいることになった際の配慮すべき点」をお伝えしていきます。

ここ数週間でめまぐるしく住環境が変わったドイツ

私が暮らすドイツでは、政府が段階的に政策を強化してきましたが、休校、国境封鎖、外出の自粛、それでも日々7000人前後増えていく感染者数に、3月22日からドイツ全土で接触制限措置が取られています。

家の外では対人距離は1.5~2m以上、家族以外の人とは1人まで、と他者との接触が極端に制限され、かろうじて開いている生活必需品を扱う店舗(スーパーや薬局)の中でも、距離を保つよう徹底されています。私も週に1回買い物に出る以外は、ずっと自宅。これは、ここわずか3週間ほどで起こった変化です。

自分が住んでいる国で、感染の爆発が起こってしまうと、とたんにこのような様変わりした行動パターンを強いられることになりますが、問題は、外に出られないことだけではありません。家にいることが増えることでのトラブルも発生しがちです。

日本でも緊急事態宣言が出され、これからGW明けまでの1カ月の暮らし方が大きく変わっていくことが予想されます。

ニュースによると、まだ宣言が出される前の段階で、夫婦げんかが増えた、DVも増えた、さらには、コロナ離婚なる言葉も出てきているようです。そこまで行かなくとも、たしかに、マンションの中でずっと家族で閉じこもっていたら、その閉塞感からストレスがたまることが予想されます。

これから、外出が減り、家の中で一緒にいることが増えたとき、どう過ごしていくのが望ましいのか、少し先にロックダウンに踏み切った欧州の様子から、気づいた点をお伝えしていきます。

  

休校や在宅勤務、こもりきりのストレスを軽減する工夫を

今回の緊急事態宣言は、全国一斉ではないことや、法的な強制力がないことからも、だれがどこまで行動を制限されるのかは、置かれる境遇やご家庭ごとに変わってくると思います。

子供が休校なのか、休校中オンライン授業があるのか、ママ、パパは家にいるのか、そして在宅で仕事をするのか……と様々だと思いますが、在宅で過ごす家族が増えれば増えるほど、工夫が必要になってきます。そこで、家の中で家族がこもらなくてはいけない状況に置かれたときに、ここは気をつけた方がよさそうだという点を3つお伝えしたいと思います。

1. 生活リズムを保つこと

休校中、在宅勤務中は、なによりも生活リズムを崩さないようにすることが大切です。「休校だ」「リモートだ」「お休みだ」ではないのに、リズムが崩れてしまうことはよくあるようです。

通勤通学に時間が取られない分、時間的な余裕ができて、まず朝寝坊をする。そして、朝寝坊をすると、夜眠れなくなる……。こうやって普段よりも1時間、2時間のずれが生じてしまうことがあります。家族がバラバラな時間帯で生活していると、食事の時間がずれたりと、余計な家事を増やすことにもなりかねません。

今後、行動制限がハードになってくればくるほど、個々人の体調管理の責任は増しますし、感染の爆発が起これば、「コロナ疲れ」と言っていられないほど、必死になって自分や家族を守る必要が出てきます。生活リズムが崩れたことで、体調をこわしてしまっては、目も当てられません。普段通りの時間で生活することを心がけましょう。

2. 居場所を作ること

かりに、子供が休校、ママもパパも在宅勤務、このような場合、全員が好き勝手に活動してしまうと、やはり気が散りやすくなりますし、勉強、仕事の効率も悪くなるものです。各自が、家の中に、自分の定位置を作れるように工夫することをおすすめします。

もしスペースが許せば、子供は自分の部屋、大人は主寝室とリビングに分かれるなど、勉強場、仕事場を確保できると理想的ですが、家具の配置を少し変えることでも実現可能かと思います。物理的にたがいを見えなくすることで、自分にとってはもちろん、周りの家族にとっても、やりやすくなることは多いと思います。

外出制限がある期間は、当然ながら、しょっちゅう顔を合わせることになりますので、家の中を適切に区切って、普段平日に行っていることを、それぞれがこなしやすくする空間を確保できると過ごしやすくなります。

3. 役割を持つこと

一般的によく聞くのが、みんなが在宅になることで、ママが一気に大変になるということです。家にいる時間と人数が増えれば増えるほど、やはりゴミもたまりますし、家も散らかります。洗濯物の量は同じだとしても、掃除や料理は確実に負担が増えますので、それぞれにできる役割を持ってもらうことは大事と言えます。

これは、たとえば今回の緊急事態宣言など、これから大きく変わるという時点で家族で話し合えると理想的です。

ただ、役割分担は無理をしてしまうと、余計にストレスがたまったりすることもありますので、理想論にとらわれないこともポイントの1つです。たとえば、お昼ごはん。朝と晩はママが作る、お昼は家にいるのだからパパが作る、このように分担したとして、作ってもらったのはいいけれど、洗い物の山、となってしまっては、逆に大変になります。

料理から片づけまで完全にできる場合をのぞき、こういう期間のお昼は、できるだけ簡単にするのがベスト。夕食を多めに作っておき、お昼はそれをお皿に並べてチンするだけ、というのがロックダウン中のしのぎ方です。

ここで言う役割とは、もっと小さなことで、脱いだ靴下は洗濯機に入れておくとか、テーブルの上には何も置かないなどの自己管理力を指しています。

このような事態になって、家の中にいる時間が増えると、あらためて、平日はそれぞれが外で過ごすことでバランスが取れていることを実感される方は多いと思います。

欧米からのニュースで見た方も多いと思いますが、感染が広がってくると、町は一気に閑散として、スーパーでの買い物は殺伐とした空気になります。そんなとき、せめて家の中くらいは、心身ともに“安全安心“と感じたいので、上記に挙げた工夫を早い段階で検討してみるとよいかもしれません。

(文:佐藤 めぐみ(子育てガイド))