あの大ヒットアメコミ映画の監督が自宅待機中に短編ホラーを撮っちゃった! 超貴重なメイキングも公開!!

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『シャザム!』『アナベル』の監督がおこもり中に映画製作!

L.A.在住の映画監督デヴィッド・F・サンドバーグが、コロナウイルスによる自宅待機の時間を利用して、ショートホラー映画『SHADOWED(原題)』をYouTubeで無料公開した。

サンドバーグ監督と言えば、人気シリーズのスピンオフ第2作目『アナベル 死霊人形の誕生』(2017年)に抜擢され、次いでDCコミック映画『シャザム!』(2019年)をファンの期待に応え大成功に導いたことで知られる期待の新鋭だ。

この『SHADOWED』は、サンドバーグ監督の長編デビュー作『ライト/オフ』(2016年)をDIYで再現したような趣といった雰囲気。とにかく、まずは作品の方を御覧いただきたい。

登場人物は1人、セリフはほぼゼロ。しかし照明やカメラアングルを工夫することで、ここまで雰囲気抜群な映像が撮れてしまうことに驚かされる。編集が素晴らしいのは言わずもがなで、カメラに落とし込んだ恐怖の要素を濃縮させ、ムダを削ぎ落として吐き出したような3分弱映像は、感動すら覚えるクオリティ。暗闇を利用するのは予算にかかわらずホラー映画の定石だが、絶妙な“間”や最小限の効果音は、監督と妻のロッタ・ロステン(女優として監督の『ライト/オフ』にも出演している)のセンスが光る。

本作はメイキング動画もアップされているのだが、さすがに要所でVFXを使用しているものの、それ以外は誰でも購入できる機材とちょっとした工夫で撮影されていることがわかる。自然光やレフ板の活用方法、カメラの配置なども解説していて、映画製作に興味がある人にとってはかなり有用な内容と言えるだろう。キャストもロッタと自身だけで、自宅で実現可能な技術を総動員し、コツコツと楽しみながら撮影した様子が伝わってくるメイキングだ。

不幸中の幸いというか怪我の功名というか、コロナウイルスの影響によって傑作ショートホラー作品と、超貴重な映画製作の教科書をフリーで提供してくれたサンドバーグ監督。このショートフィルムとメイキングを観て、いち早い収束を祈りつつ、サンドバーグ監督の次回作(『シャザム2』)の続報にも期待しよう。

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