「GET SPORTS」放送1000回!南原清隆が語る思い出と“これから”

テレビ朝日ほかでは、4月12・19・26日の3週にわたって「GET SPORTS」(日曜深夜1:30、19日は深夜1:40)の放送1000回を記念したスペシャル企画を放送。南原清隆がゲストと共に22年を振り返り、その思い出と“これから”を語る。

同番組は、1998年4月にスタートしたスポーツドキュメンタリー。アスリートたちの内面に迫りつつ、競技人生を描き出し、さらには彼らの超一流の技術を分析・検証する番組として、幅広いスポーツファンから高い評価を得てきた。

スペシャル企画では、野球・古田敦也、バドミントン・潮田玲子、陸上・朝原宣治、卓球・平野早矢香、そしてサッカー・中西哲生と各競技を代表するゲストをスタジオに招き、番組が放送を開始した当時よりも「強くなった日本のスポーツ」をテーマに、放送第1回から番組MCを担当している南原と「GET SPORTS」ならではの掘り下げたトークを展開する。

20年前のシドニー五輪でメダルが0だったバドミントン、陸上の4×100mリレー、卓球だが、近年ではリオデジャネイロ五輪でのバドミントン女子ダブルス金メダルに代表されるように、日本はメダルの常連国となりつつある。野球、サッカーを含め、日本のスポーツは、なぜ世界で強くなったのか? そこには「スター選手」の存在があった。野球なら野茂英雄とイチロー、サッカーならカズこと三浦知良、中田英寿など。朝原は「高校3年時に100mで10秒01の記録を出した桐生祥秀の存在が大きい」と指摘する。また、卓球の平野は愛ちゃんこと福原愛との現役時代のエピソードを紹介しつつ、卓球界に与えた多大な影響について明かす。

そして、「技術革新」では、日本のリレーの代名詞ともなったバトンの「アンダーハンドパス」について朝原が詳しく紹介する。日本のリレーを劇的に速くした“秘技”を南原、潮田を相手にスタジオで実演。見た目だけでは分からないすごさを伝授し、2人は目を丸くする。そのほか、野球では古田が変化球の球種の増加、卓球では平野がラケットの持ち方の変化による新たな攻撃やラバーについて、潮田はバドミントンでの低空戦や勝つための戦う意識の変化などを語る。

さらに、選手の「育成システムの改革」、競泳日本代などに見る「チームJAPANの改革」、そして今注目されている日本フェンシング協会・太田雄貴会長が取り組んでいる、多くの人にフェンシングを身近に感じてもらうための改革をVTRとスタジオゲストの生の声とともに紹介。現役時代にそれらを肌身に感じてきたゲストたちだからこそ明かすことができるエピソードが次々と登場する。

南原は「1000回というより22年という月日の長さを痛感しています。1回目は巨人に入団したばかりの高橋由伸さんを、ヤクルトのスコアラーさんの視点から分析するという『GET』らしい企画で特集しました。その高橋さんが巨人の監督になられた時にインタビューもさせてもらいましたから。当時はこんなに長く続くとは全く思っていなかったです」と振り返った。

続けて「番組での取材で印象に残っているのは競泳のイアン・ソープ選手です。現役の頃のインタビューで、当時ライバルのピーター・ファン・デン・ホーヘンバンドに100m自由形で負けた時でした。いくらこちらが『負けましたね』と言っても、『僕は負けていない。100mという苦手な種目のアプローチの仕方は間違っていなかった。だから僕の中では負けていない』と答えたんです。そうしたら400mリレーで勝ったんですよ。われわれはどうしても見た目の勝ち負けにこだわりますが、アスリートは違う価値観で戦っているんだと、その時に分かって、取材をする時により気を付けるようになりました」と明かした。

そして、今回の1000回記念について「まずは1000回見てくださった皆さまに感謝を申し上げたいですね。そして各分野で実績を残された方がゲストで出てくださいましたが、共通点はスポーツを楽しみたい、スポーツを発展させたい、スポーツを通じて何かを伝えたい、世界を良くしたい、ということ。1000回は一つの通過点ですが、その思いは競技を問わず同じなんだという認識ができたので、ぜひ指導者の方、経営者の方など、もちろん選手の方も何かをつかみ取ってもらえればと思います」と感謝と共に思いを伝えた。

最後に「これからも番組での情報や思い、技術などを皆さんと共有して財産にしていきたいです。取材させていただいているアスリートの方々にはご迷惑をかけていると思いますが(笑)、スタッフが何より熱心で、中には自費を投じて取材に行く人がいたりもする。その熱い思いの中で僕もやらせてもらっています。それが大きな財産なので、これをまたコツコツと積み上げていきたいです」と語り、今後への意気込みを感じさせた。

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