全集第4巻「長崎」刊行 吉田修一さん 「横道世之介」など 古里ゆかりの作品収載

吉田修一さんの個人全集「コレクション」の第4巻「長崎」の表紙

 長崎市出身の芥川賞作家、吉田修一さんの個人全集「コレクション」(文芸春秋)の最終第4巻「長崎」が3月刊行された。1980年代を舞台に、長崎から上京した若者の青春を描いた柴田錬三郎賞受賞作「横道世之介」(2009年刊行)など、古里ゆかりの9作品を収載。各巻に続きものの新作を書き下ろしてきた「自伝小説」は最終回を迎えた。
 全集は昨年9月から刊行を開始し、第1巻「青春」、第2巻「恋愛」、第3巻「犯罪」と続いていた。第4巻「長崎」の収載作は、ほかに▽破片▽flowers▽キャンセルされた街の案内▽台北迷路(単行本未収録)▽大阪ほのか▽長崎乱楽坂▽7月24日通り-。1~4巻合計で45作品となった。
 「自伝小説」は第3巻までに「Ⅰ」~「Ⅲ」を収載し、吉田さんが長崎で過ごした幼少期から思春期にかけてをつづっていた。第4巻の「Ⅳ」は、18歳で上京した頃の出来事や感慨を思い起こしている。
 第4巻は631ページ、3960円。

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