島を訪れるきっかけに 新上五島テーマの演歌 大井さん制作

「五島の海よ」を制作した大井さん=京都府宇治市

 京都府宇治市の自営業、大井一毅さん(59)が、妻の出身地である新上五島町をテーマにした演歌「五島の海よ」を制作した。大井さんが歌唱も手掛けインターネットで3月から公開。「聞いた人が島に足を運ぶきっかけになれば」と話している。
 妻の洋子さん(58)は旧有川町の頭ケ島の出身。高校卒業後に就職で宇治市に移り住み、大井さんと知り合った。約30年前、夫婦で同町に里帰り旅行。大井さんは自然の美しさに心を打たれ、そのときの思いを詩にしていた。
 カラオケ店を経営したり歌うことが好きだったりと音楽に関心があった大井さんは、還暦を前に、妻を育んでくれた島への感謝の気持ちを歌にしようと決意。知人の作曲家に、書き留めていた詩にメロディーをつけてもらった。
 歌は3番まで。都会に憧れながらも古里を愛する気持ちや、洋子さんの父親の思い出をつづっている。洋子さんは「亡くなった父や、島を離れる日に知人に見送られた思い出がよみがえった」と話したという。
 「五島の海よ」は新上五島町のホームページでも公開。CDは1枚千円で販売しており、郵送に対応する。問い合わせは大井さん(電0774.24.8170)。

◎「五島の海よ」歌詞
(1)泣いて笑って 生きているけど
いつか届くよ 幸せが
五島の港 荒れている
二日遅れの 手紙には
心こもった 涙文字

(2)酒よ酒よと 浴びながら呑(の)む
父の思い出 夢うつつ
五島の港 荒れている
時代遅れの この街は
何も無いのに 花は咲く

(3)港海歌 切なく歌う
長崎遠く 見つめてる
五島の港 荒れている
逃げたい気持ち 抑えつつ
心裏腹 有川よ

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