テレワーク推進で注目度上昇! 和製ビジネスチャットツール「Chatwork」を使って分かった数値化できない魅力

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テレワーク推進や働き方改革の流れを受けて、社内のコミュニケーションツールとしてビジネスチャットの存在感が高まっている。業務効率化につながると導入する企業が増加しているが、なかには「メールと何が違うのか」と疑問をもつ管理担当者もいるかもしれない。リアルな実感を得るために、社内のプロジェクトでChatworkを実際に3カ月間活用し、その魅力を検証した。

テレワーク推進や働き方改革の動きに連動して、ビジネスチャットツールの利用が加速している

ツールを使い始める前に、Chatworkの担当者にユーザーが拡大する理由を聞いてみた。対応してくれたのは、事業推進本部 ソリューションセールス部 パートナーセールスチームリーダーの秋國史裕氏だ。Chatworkは業種問わず、利用企業数を伸ばしているが、特に相性がよいのがITリテラシーがそこまで高くない中小企業だという。

Chatwork 事業推進本部 ソリューションセールス部 パートナーセールスチームリーダーの秋國史裕氏

「Chatworkは日本人のためのビジネスチャットツールとして開発しています。誰にでも分かりやすく、直感的に使えることが評価されていると感じています」(秋國氏)。社内だけでなく社外ともコミュニケーションがとれることも支持される要素だ。外部企業から薦められて導入するケースも多いという。

業務効率化も重要な目的だが、Chatworkがより重きを置いているのはコミュニケーションの促進だ。それを象徴するのが、他の多くのサービスが採用している「既読機能」を採用していないことだ。

「既読があるとすぐにリアクションしなくては、という緊張感が生まれてしまいます。そうすると投稿に遠慮が生まれます。Chatworkではリアクションの方法として絵文字も用意しており、コミュニケーションのハードルが低いことも特徴です」。このあたりの狙いはレビューをしていて実感できた部分でもあるので、後ほど詳しく説明したい。

さて、ここからはChatworkを実際に利用して感じたメリットを紹介していきたい。今回、アカウントを作成したのは、1月末に開催された主催イベントのプロジェクトチームのメンバー、計13人。イベント準備期間である11月から2月まで活用した。

1月末に開催されたイベントのプロジェクトメンバーでChatworkを活用。企画・運営・制作を社内リソースで行うので、やりとりする情報量は多い(写真はイベント当日の様子)

事情を補足しておくと、社内イベントは毎年開催されるもので、メンバーは3年の任期制になっている。入れ替わりが激しいので、ルーティーンワークであっても再確認が必要な事項が多いという問題があった。また、部署をまたいで集められるため、これまでコミュニケーションをあまりとってこなかった距離のあるメンバーもいる。Chatworkによってこれらの問題が解消されることを期待した。 Chatworkは個人間でのメッセージのやりとりはもちろん、グループを作成してチャットすることができる。当初はプロジェクトチーム全体のグループのみを活用していたが、使っているうちにチームの各セクションごとにグループを作成する方が効率的ということに気づき、最終的に七つのグループで作業を進めた。

共有すべき情報が分散しないか心配だったが、実際に試してみるとPCのフォルダーのような感覚で、情報にアクセスする時間を大幅に節約できた。キーワード検索もできるので、一つの小さなトピックであっても時系列で、どのような問題提起があり、それに対してどのようなアクションを起こしたのか、即座に振り返ることもできた。

グループを細分化して必要な情報にアクセスしやすいようにした。キーワード検索もできるので、情報を探す労力が最小限で済む

使用開始当初はグループへの投稿は控えめだったが、徐々にその頻度は高まっていった。投稿したコメントは後から編集する仕様も背中を押した。また、既読がつかないので、全ての投稿にリアクションする必要はないし、リアクションするときもクリック一つで絵文字を送れば済む。スマホアプリもあるので、外出先から即座に反応することもできる。

リアクションのハードルが低い絵文字を用意。スマホアプリで即座に反応することもできる。PCが手元にないイベント当日の情報共有にも役立った

チャット画面のインターフェースはシンプルながら、できることは多い。例えば、コメント欄下にはビデオ通話や音声通話ができる「Chatwork Live」のタグがあり、離れていても直接コミュニケーションがとれる。検証期間中にはあまり使用しなかったが、テレワーク環境下では大いに役立ちそうだ。

チャットからシームレスにビデオ通話に切り替えることが可能

チャット以外にも便利な機能がある。タスク機能を使えば、担当者や期限を設定して、作業の進行具合を確認することが可能だ。チャットウインドウの隣に常に表示されているので、メッセージでやりとりしながら「これは進捗確認しておきたいな」と思ったら、すぐにタスクに追加できる。

タスク管理で作業の進捗を確認

制作物のやりとりが多く、データ共有の機会がたびたびあったのだが、Chatworkではこれまでのコメントに添付したデータを一覧することもできる。ビューアーもついているので、目当てのデータを探し当てるのも簡単だ。メールでデータを共有していた時代は、それらしいキーワードを入力して手探りしていたので、かなり作業が効率化した。

添付データを一覧で表示可能。検索性も高い

他のプロジェクトメンバーにも感想を聞いてみたところ、「チームの団結が深まった」という意見が多く聞かれた。昨年までは「自分の仕事をやればいい」という傾向が強いように感じていたが、実は各人が協力したくても「誰が何をやっているのか、分からない」という状況だったようだ。それがChatworkによるコミュニケーションで全体の状況がよく見えるようになり、自発的なアクションが起こしやすくなった。

今回の長期レビューを通して、期待していた「情報の確実かつ円滑な共有」という課題の解決は十分に達成できた。予想外の収穫としては、メンバーからの評価も高かった「コミュニケーションの活発化」が挙げられる。このあたりのメリットは使って始めて分かる部類のものだと思うが、あらゆるプロジェクトで効果を発揮するものだろう。

今回のイベントに関わったメンバーが来年も引き継がれるわけではないが、今年のログは来年にも生かすことができる。チャット・タスク・データなどを一貫して管理できるツールの強みは、資産を継続して利用できる点にもある。人や場所の流動性が高い環境で働いているのならば、より多くの課題解決に役立つはずだ。(BCN・大蔵大輔)