新型コロナウイルス流行で韓国総選挙の行方は…投票所ではどんな対応をしている?

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韓国で4月15日に開催される予定の第21回韓国国会議員選挙(韓国総選挙)まであと約1週間に迫っています。
新型コロナウイルスの流行が世界中で起きている中、韓国も例外ではなく、開催自体が危ぶまれていたところです。
この記事では、第21回国会議員選挙の注目ポイントや、現在の世論状況などを整理するとともに、国会議員選挙の開催延期・中止の可能性についてもまとめていきます。

国会議員選挙の注目ポイント、選挙ルールの変更

今回の国会議員選挙の注目ポイントとして、選挙ルールが変わった後はじめての選挙と言う点が挙げられます。
変わったルールは大きく2点あり、1点目は準連動型比例代表制による比例代表議席の配分規則の変更、2点目は投票参加可能な年齢の満19歳から満18歳(数え年)への引き下げです。1点目を詳しく説明すると、過去、地方区(小選挙区)と比例代表議席の得票を完全に別個に計算していたのとは違って、地方区での獲得議席が政党得票率と比べて少なくても、政党得票率が高い政党は比例代表で議席を確保できるようになりました。

参考:https://www.bbc.com/korean/news-51004064 

http://www.donga.com/news/article/all/20200326/100372917/2

準連動型比例代表制の採用によって、各党の獲得議席は多少なりとも変化すると推測されており、特に元々獲得議席数の少ない政党にとって、数議席の獲得が大きな意味を持ってくるでしょう。さらに、「共に民主党」と「未来統合党」の議席数のバランスがどう変化するのかも注目の点となります。
また、投票参加可能な年齢が1歳引き下げられたことで、10代の有権者数が67万人程度から100万人以上に増加する見込みです。しかし、過去の満20歳から満19歳への年齢引き下げ時に選挙結果へ大きな影響が出なかったことから、今回も選挙結果に与える影響は少ないとみられています。

コロナパンデミックが選挙へ与える影響。選挙は予定通り行われるのか?

結論から言うと、4月15日の国会議員選挙は予定通り行われる予定です。
韓国政府は投票による感染拡大を防ぐための予防策として、すでに選挙当日の衛生規則を各自治体に指示しており、当日はそのシステムに則って選挙が実行される予定です。

図:投票時の衛生規則、日本語訳ルビ:筆者)

予定通りに行われるとは言っても新型コロナウイルスの流行が今回の選挙に与える影響は大きく、各国のコロナ対策の影響で在外投票が行えないなどの事態が発生しており、選挙権がなくなった在外の韓国国民は9万人を超える見込みです。
さらに、今回のコロナの影響で投票結果にも大きく変化が見られると予想されます。各自治体の有事への対応が注目され、支持を大きく伸ばす候補者が出てきたためです。
特に注目されているのは、京畿道知事のイ・ジェミョン氏で、京畿道は、今回世界でも注目されたドライブスルー方式の検査所を全国初導入したことをはじめ、ベーシックインカム的考えを基にした道民全員に10万ウォンの”災難基本所得”を支給するなど画期的な対策を打ち出しました。

参考:https://www.hankookilbo.com/News/Read/202004021194099764

第21回韓国国会議員選挙(韓国総選挙)の動向

(韓国の政党支持率推移)

このような状況の中、各政党の支持率にも変化が起きています。
これまで優勢だった与党「共に民主党」ですが、4月第1週の調査で、はじめて与党と野党第一党の支持率が逆転し、「未来統合党」が25.1%で1位、「共に民主党」が20.8%で2位となりました。

(韓国総選挙の比例代表投票先意向)

さらに昨年の連動型比例代表制の採用時、不利になると予想した「自由韓国党(現在の未来統合党)」は、その対策として政党を2つに分裂。比例選挙専用に新たな「未来韓国党」という党を作成しました。新たな比例代表選挙用の政党である「未来韓国党」には地方当選者がいないため、政党獲得票率そのままの比例代表議席を獲得しようという戦略です。2月には「自由韓国党」をはじめとした保守系政党が合併し、「未来統合党」を結成。このような対策の影響が最終的な議席獲得数にどのように出てくるのか注目です。

参考:https://www.bbc.com/korean/news-51004064

リアルメーター:3月2、3週3月4週4月1週

まとめ

支持率調査の結果から伺える様、順位が変わったとしても、依然与党と野党第一党の支持率は差は僅かであり、投票まで残り約1週間を残した現段階で非常に緊迫した状況です。
さらに選挙ルールの変更や新型コロナウイルスの影響から、例年とは全く異なる状況であることも踏まえると、どちらが第一党となるのか、最後まで目が離せない選挙となりそうです。
韓国国内では減速が見えつつもある新型コロナウイルスの流行ですが、まだ油断はできない状態であることには変わりありません。そのような中で行われる選挙が無事に終わることはもちろん、コロナ拡大の再熱にならないよう十分注意した投票が行われることを願います。